◆采女祭

 「采女祭」は、毎年中秋の名月の日に行われる、「采女神社」の例祭。采女(女官)の霊を鎮め、人々の幸福を祈願するために始められたもので、艶やかな行列や船神事などが執り行われる。

 祭り当日は、十二単姿の花扇使や天平衣装をまとった人々が2メートル以上ある美しい花扇を囲み、市内を練り歩く「花扇奉納行列」で始まり、神社での「花扇奉納神事」、雅楽が演奏されるなかで管絃船が猿沢池を巡る「管絃船の儀」が行われ、最後は池に花扇が投じられる。

 そもそも采女神社は、采女が帝の寵愛を失ったことを嘆いて池に入水したという悲恋物語が創建の由来とされているが、現在は縁結びの神様として親しまれており、采女祭では「采女えんむすび守」の授与も行われている。

開催日:中秋の名月の日

采女祭(うねめまつり)

所在地 奈良県奈良市樽井町(采女神社・猿沢池)
http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/01jinja/01north_area/unemejinja/event/q7quwxz4yk/

◆明日香村の彼岸花

 明日香村内には飛鳥時代の人々が活躍した痕跡が遺跡として多数点在する。現代につながる様々な制度や文化が始まった地でもあり、「日本の国のはじまりの地」として親しまれている。

 お彼岸のころになると村のあちらこちらで見られるのが、真っ赤に色づいた彼岸花。毎年、咲く場所や数に違いはあれど、主に古墳や寺院の周り、田んぼの畦などさまざまな場所で見られる。特につなぐ棚田遺産「稲渕棚田」周辺は、彼岸花と黄金色に染まる棚田の見ごたえのあるコントラストが評判だ。

 また、開花時期に合わせて「彼岸花祭り」も開催され、案山子コンテストなどのイベントも楽しめる。

見ごろの時期:9月中旬~下旬

明日香村の彼岸花(あすかむらのひがんばな)

所在地 奈良県高市郡明日香村稲渕地区
http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/023flower_spot/wlt5a4mien/jcae02z286/

2023.10.07(土)
文=佐藤由樹
協力=奈良県観光公式サイト「あをによし なら旅ネット」