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 だるい、力が出ない、疲れやすい、朝起きられない、イライラする、めまいがする、むくむ、物忘れが激しい……。それすべて、鉄分不足が原因かもしれません。婦人科医も「月経のある女性のほとんどが鉄不足と言っても過言ではない」と言うほど、今や日本女性の国民病ともなっている鉄欠乏性貧血。鉄不足の何が問題なのか、放っておくとどうなるのか、また鉄分が足りているとどうカラダが楽になるのか――今年2月に発売し話題を呼んでいる『体と心をラクにする 鉄分貯金』より、実生活にすぐに取り入れられる対策をご紹介します。ダル重なカラダからそろそろ卒業しませんか?【前篇】を読む


食材に含まれる鉄が約20年間で大幅に減少!

 昨今、野菜に含まれる栄養価が下がっていると聞いたことはありませんか? じつは野菜だけでなく、たんぱく質中の鉄の含有量の低下が食品標準成分表を見ると比較できます。2005年と現在とでは、主に肉・卵・大豆に含まれる鉄が減少しているのです。

 これは日本のみならず、アメリカでも同じ状況で、ほとんどの食品が1999年に比べて2015年のほうが鉄濃度が低いという論文が発表されています。ということは、今までと同じように食事をしていても、気づかぬうちに鉄の摂取量は減っているという事態に陥っていたのです。このような要因も影響しているのか、下のグラフでは、ここ40年くらいの間に鉄の摂取量が大幅に減少していることがわかります。これでは貧血大国となっても不思議はありません。

ちゃんと摂れている? 1日に必要な鉄量は10.5mg!

 意識せずに食事をしていると、なかなか摂取できないのが鉄の弱点。2019年の国民健康・栄養調査によると、20~29歳の女性の平均摂取量は6.2ミリグラムでした。1日に必要な鉄量は10.5ミリグラムなので、4割も足りていないのが現状なのです。それではどのように足りない鉄を補えばよいのでしょうか。

2023.08.26(土)
デザイン=山下知子、瀬戸瑞絵(&Y design)
医療監修=村野直子(消化器内科医)
レシピ=阿部ちさき・山田綾香(管理栄養士/一般社団法人ラブテリ レシピチーム)
協力=奈良岡佑南・三栖茉奈美・横尾美星(一般社団法人ラブテリ研究チーム)
編集・文=長田和歌子