声優もアーティスト活動も、湧き出る泉は同じ

──本作では、セーラースターライツのメンバーが、人気アイドルグループの「スリーライツ」としてステージで歌を披露するシーンもありました。原作者の武内直子さんが作詞された「流れ星へ」を、どのような思いで歌われたのでしょうか。

早見 武内先生がお書きになっているので、歌詞を読んだだけで「これはあのシーンだな」とか「ここはあの人のことを思っているんだな」というのがストレートに感じられて、歌っていてキャラクターの感情や思いがダイレクトに入ってくるような感覚でした。

 曲調はアレンジされていてノリがよく、実際に映像になった作品を見たら、歌っている自分たちもボーッとしてしまうくらい最高で、これはもうキャーキャーなるよね、と思いました。そこに参加させてもらえたのは、本当にうれしかったですね。

 そして実は、前編と後編のアフレコって、間が1年くらい空いているんですよ。自分ではひそかに、後編はよりセーラースターライツのかっこよさを出せるように意識して臨んだので、そのあたりにも注目していただけたらうれしいですね。

──セーラースターライツの三人のように、早見さんもアーティストとして活躍しておられます。声優とアーティストの活動は、区別なさっていますか?

早見 声の仕事は、イベント以外ではお芝居をしている姿を見せることはあまりありませんが、音楽活動では大勢のお客様の前で歌うことが多いので、そこは違いますね。また、声の仕事ではアフレコ現場で他のキャストさんと掛け合いながら作りあげていくことが多いのに対し、曲作りなどにおいては一人の世界で黙々と作りあげていくという作業が多いという部分も違うかなと思います。

 ただ、自分のなかで何か垣根を作るとか、あまりそういう定義づけはしていません。声の仕事も、アーティストとしてものを作り上げる仕事も、基本的には「私」という個体がいろんな形で表現するという意味では、湧き出る泉は一緒だと思っています。

2023.06.09(金)
文=相澤洋美
撮影=杉山秀樹