ふたりが恋よりも盲目になるものは?

 ちなみに、この作品によって得た恋愛における教訓を聞くと、萩原さんは「恋に盲目になりすぎると大変だということ!」と即答。

「自分を見失うほど恋にのめり込むって、やっぱり大変だと思うんです。なってみたいかと言われると……いや、ダメだ(笑)。想像できないですね。あそこまでエネルギーを注げるってすごいです」(萩原さん)

 ところが、「利久にも盲目になれるものあるじゃん」と八木さんからツッコミが。実は萩原さんには「サッカー(マンチェスター・シティFC)とバスケ(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)と玉置浩二さん」という推しがある。

「確かにこの3本柱は僕にとっての清居ですね。今日も朝5時からマンチェスター・シティの試合を見てきたんですけど、負けてしまったのでだいぶ落ち込みました」(萩原さん)

 しょんぼりする姿を見て、「やばい、アゲてこアゲてこ!」と盛り上げる八木さん。実は彼にも、萩原さんと同じように熱中している趣味がある。

「仕事終わりに行くサウナのことを考えると、なんでも頑張れるんです。サウナ後に水風呂に入ってから外気浴をするのですが、本当にすべてのことがどうでもよくなるし、整っている隣の人を見るだけでも幸せな気持ちになれる。サウナはきっと、世界平和に繋がると思います。これ、本当です。僕の場合サウナ後のごはんまでがワンセット。コッテリ系ラーメンでもいいし、サウナの聖地“北欧”のカレーも食べたいなあ」(八木さん)

 ひとしきり熱弁すると、ハッと我に返って「喋りすぎた」と苦笑い。「いつか利久も連れて行きたい」と言われた萩原さんも「おー! ごはん込みで行こう!」とノリノリだった。作品の世界線を軽やかに飛び越え、リアルに友達として絆を深め合ったふたり。その事実だけで、作品を愛するファンにとっての“世界平和”は、いとも簡単に実現されたはずだ。

萩原利久(はぎわら・りく)

1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。ドラマ『3年A組-今から皆さんは人質です-』連続テレビ小説『エール』映画『花束みたいな恋をした』などに出演。映画『おとななじみ』が5月12日に公開予定。1st写真集『R』が発売したばかり。

八木勇征(やぎ・ゆうせい)

1997年5月6日生まれ、東京都出身。2017年にFANTASTICSのメンバーにボーカルとして加入。ドラマ『ばかやろうのキス』、『沼る。港区女子高生』、舞台『脳内ポイズンベリー』映画『HiGH&LOW THE WORST X』『イチケイのカラス』に出演。

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映画『劇場版 美しい彼~eternal~』

高校で出会い、すれ違いを経て恋人同士になった平良一成(萩原利久)と清居奏(八木勇征)。新人俳優としてのキャリアに邁進する清居と、写真家になる夢に及び腰の平良は、同棲生活を送りながら新しい一歩を踏み出していく。凪良ゆうのBL小説を酒井麻衣監督が映像化。

4月7日(金)より全国公開
https://culture-pub.jp/utsukushiikare_movie/

2023.04.06(木)
Text=Kozue Matsuyama
Photographs=SAI
Styling=Shinya Tokita〈萩原〉,Shogo Ito(sitor)〈八木〉
Hair & make-up=Yusuke Kasuya(addict_case)〈萩原〉,Kiyomi Onuki(Luana)〈八木〉

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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