――なるほど。12月2日に発売された『わが子ちゃん』2巻では、ついに出産の一部始終が描かれているわけですが、峰さんは無痛分娩を選択されたんですよね。

 それ以外の選択肢は考えられなかったですね。無痛分娩をやっている病院は少なくて、最初なかなか見つけられなかったので、ウィークリーマンションを借りて東京の外で出産しようかと考えていたほどです。

 ただ、無痛分娩でも痛みを感じるタイミングは結構多くて、もし普通分娩の痛みも加わってたら、私は衰弱死してただろうなと思います。

読者から届いた「普通分娩を選ぶ理由」に驚愕

――無痛分娩を選択したことに対する、ご家族や周囲からの反応は?

 お母さんからは家族LINEで「安全なの?」って心配されたんですけど、体調が悪くて母親に説明したりする余裕がない私に代わって、妹が安全性について返信してくれて、問題はありませんでしたね。

 

 それより驚いたのが、私が漫画に「なんでみんなもっと無痛分娩を選ばないわけ?」って描いたら、読者の反響で「普通分娩の痛みを味わってみたかったから」って意見が多かったことです。世の中、痛いことなんて他にもいっぱいあるのに「なんで?」って。

――確かに謎です。どうして出産の痛みだけ体験してみたくなるんでしょうね。

 じゃあ内臓をグサグサ刺される痛みも味わってみたいのか? と思っちゃいます。本当に謎ですね。無痛分娩の費用だけなら10万円くらいですし、みんなもっと無痛分娩にすればいいのに。

 ただ、無痛分娩をやってくれる病院って数も少ないし、もともとの入院費用が高いっていうのもあるんですよね。そういう意味でハードルを感じる人の気持ちはもちろんわかるんですが。

――それで無痛分娩を選択されたわけですが、出産前もいろいろ大変だったんですよね。4月に産むために3月中は無痛分娩を行わず、我慢する期間があったとか。

 たとえば6月や7月の予定日だったら、妊娠38週に入ったら即産んでたはずだったんです。でも予定日が2020年4月5日だったので、「早生まれ」にあたる3月ではなく4月に産みたいと思ってギリギリまで我慢しました。

2022.12.25(日)
文=「文春オンライン」編集部