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映画祭だけでなく、BTSのYet to Come コンサートでもにぎわう釜山

 マダムの場合、2004年から毎年5月はカンヌ、10月は釜山を取材してきた。いいご身分だよな、と思われるかも知れないが、プレスパスを取得しているとはいえ、誰の招待でもない自費での参加なんである。日本から釜山行きの航空便はコロナ禍以前よりかなり少ないこともあり、今年は飛行機代がめちゃくちゃ高かった!

 さらにBTSのYet to Come コンサートが映画祭閉幕の翌日に行われたこともあって、ホテルもめちゃ混んでた! カンヌに比べて釜山は気軽に行ける映画祭だった時代は遠くなっちゃったなあ、と思いつつも、やっぱり来た甲斐はあった。

 だって、あの香港の至宝トニー・レオンが来たんだもん! トニーさんたら、まさに2004年以来の釜山入り。あの年は、トニーさんと稲垣吾郎ちゃんが釜山に登場、ということで一度行ってみるべえ、とマダムも行動を起こしたのだ。

 『シャンチー/テン・リングスの伝説』でハリウッド進出も果たしたトニーさんは、今年のアジア映画人賞を受賞し、開幕式のレッドカーペットでも最後に登場。詰めかけたファンから大喝采を受けた。

 今、日本でも『恋する惑星』や『ブエノスアイレス』などトニーさんが主演したウォン・カーウァイ監督作品がリバイバル・ヒットしているが、韓国でも1980年代から90年代にかけて香港映画は大ブームだった。中でも今は亡きレスリー・チャンとトニーさんは、アイドル的人気を誇ったのだ。韓国の友人によれば、「90年代の男子学生は、みんなレスリー・チャンの髪型を真似ていた」とのこと。

 トニーさんの髪型だと普通すぎたのかとも思ったが、ニコニコとレッドカーペットを歩くトニーさんは、とても還暦を迎えたとは思えぬ愛らしさでアイドル力全開。あまりの会場の盛り上がりぶりに、ちょっと照れくさそうにしていたけれども。

 と言ってもトニーさん、実は夏前から東京に長期滞在しており、釜山へも東京からやって来ていた。自分の最新作が、8月に地元の香港国際映画祭で上映されても参加しなかったトニーさん。

 でも、こんなに長い間日本にいるということは、もしや何か日本で秘密のプロジェクトでも進んでいるのでは……? そう思ったマダムアヤコは記者会見でトニーさんに思いきって聞いてみた!

2022.11.26(土)
文・撮影=石津文子