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毎日掃除のために時間を割くことは簡単ではないから…

 この前提の上で、「どこまで」について考えてみましょう。前述の3カ所の掃除を「掃除のための時間」ではなく、「日常で使う時間」に組み込むなら、清掃に費やされる時間はできるだけ短くした方がいいわけです。

 たとえば、トイレなら便座を拭き、便器をブラシで掃除するだけ。はたきと壁拭き、床拭きは「掃除のための時間」に回す。風呂については床掃除と壁掃除を1日で済ませるのではなく、交互におこなう。カビ取りやバスチェア、シャンプーラックなどの清掃は「掃除のための時間」に回す。

 台所も同じです。洗い物を終えた後、そのまま(別のスポンジを使って)台所用洗剤でシンクも洗う。加えて、キッチンカウンター、コンロとその周辺の壁の水拭きまではやるけれど、それ以上の作業は「掃除のための時間」に回す。こうなると、毎日の「掃除のための時間」には、「日常で使う時間」以外の次のような作業が残ります。

トイレ:はたき。壁拭き。
風呂:カビ取り。バスチェアやシャンプーラックなどの清掃。
台所:はたき。換気扇周りや壁、調味料棚などの拭き掃除。
洗面所:はたき。シンクの清掃。整髪料などの棚の清掃。
玄関:はたき。三和土の清掃。
床拭き/掃除機:トイレ。台所。洗面所。玄関。廊下。居間ほかの各部屋(はたき)。

 これらの作業をすべて十全におこなうとなると、まず間違いなく、90分以上はかかるでしょう。その上、家事は掃除だけではありません。ひとりでやるにせよ、誰かと分担するにせよ、料理や洗濯、買い物、ゴミ捨てなど、ほかにもやるべきことがたくさん控えています。

 そんな中で、毎日90分以上もの時間を、掃除のために割くことは簡単ではないはずです。しかし、先に挙げた作業を毎日全部やるのであれば、やはり時間はかかってしまうのです。この問題を解決するために、「作業量で区切る」のではなく、「時間で区切る」のはどうでしょうか、というのが私の考えです。

2022.11.25(金)
文=光永圓道