雅子さまが“かりゆしウェア”を選ばれた理由
美智子さまから受け継いだ“沖縄への祈り”を、陛下とは異なる形で表現されたのが雅子さまだ。今月23日、伝統楽器・三線の練習視察にて、涼しげな“かりゆしウェア”でお出ましになったのである。
かりゆしとは「めでたい」の意で、柄にシーサーなど沖縄の風物を盛り込み、県内で縫製された衣服を指す。陛下は皇太子時代から着用されていたが「皇后さまのかりゆし姿はとても新鮮」と歴史文化学研究者の青木淳子氏は語る。
「美智子さまが1993年に訪問された際は、沖縄に伝わる絣を取り入れたツーピースに真珠のアクセサリーを合わせた装いでした。
今回の雅子さまは、沖縄の伝統を纏うという美智子さまのご意思を継承しながら、より庶民的なファッションを選択されています。イヤリングもかりゆしにマッチした可愛らしい花のデザインですし、人々に近く寄り添う姿勢と親しみやすさが感じられます」(同前)
雅子さまが着用されたかりゆしワンピースのブランドは『エメラルドアイランド』と見受けられる。製造元のパイプニット株式会社・瑞慶覧(ずけらん)昭専務は「今年の新作ではないか?と社内でも話題になっています」と驚きの声を上げる。
「立ち襟と小花模様でシックに仕立てた一着です。柄のモチーフは、沖縄に自生するツルランと熱帯植物のモンステラ。両陛下のお姿を機に、かりゆしウェアが全国に広まればと願っています」(同前)
ツルランの花言葉は“謙虚・誠実”、モンステラは“希望の光を導く”といわれる。両陛下のさりげなくも温かい心遣いが、かりゆしに咲きこぼれていた。
2022.11.05(土)
文=「週刊文春」編集部