豊かな水の個性を最大限に生かした酒造り

◆司牡丹酒造(つかさぼたんしゅぞう)

 仁淀川の中流に位置する佐川町(さかわちょう)で慶長8年(1603年)から続く老舗の酒蔵。

 仁淀川水系の水は軟水で発酵しにくく、酒造りには不向きとされていたが、昭和6年に広島の軟水醸造法を取り入れたことで、辛口酒のレベルがいっきに上がった。

 「酒の原料の8割は水」と良質な水に恵まれた環境のなかで井戸をいくつか掘り、一番適している井戸水を使い続けている。

 蔵見学では、製造過程を見ることができ、最後にショップで試飲が楽しめる。

 ほぼ高知県内での販売という希少な純米酒、仁淀ブルーや夏限定の生鮮酒〈夏〉零下貯蔵生酒など、それぞれの誕生秘話を聞きながら味わうと、美味しさがより実感できる。

司牡丹酒造(つかさぼたんしゅぞう)

所在地 高知県高岡郡佐川町甲1299
電話番号 0889-22-1211
※蔵見学は要予約
https://tsukasabotan.co.jp/

2022.10.13(木)
Photographs=Wataru Sato

CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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