ありがたい保育園の存在と、なんでも話を聞いてくれる母の力

毎朝炊きたてのご飯を持っていく習慣が、朝食をしっかり摂ることにつながった

 上沖さんの朝は、ご飯を炊くことから始まる。

 パンでもなく、スムージーでもなく、シリアルでもなく、ご飯をきちんと炊くのにはワケがある。

 上沖さんのお子さんが通う保育園は、3歳児から昼食の主食(ご飯またはパン)を持っていくことが義務付けられているのだ。ご飯の場合は、朝炊きたてのご飯のみ、アルミのお弁当箱に入れて持っていくのが必須(おかずは園が用意)。

「保育園なのに、主食のみとはいえお弁当持参とは!?」と筆者も驚いたが、上沖さんによれば、朝炊くことで、必然的に朝ごはんもきちんと食べるようになった。それが結果的にはとてもよかったという。

 子どもが3歳になってから、朝きちんとご飯を炊くようになった上沖さん。当初は、時間がかかって「なぜ?」と思ったことも。しかし今ではすっかり慣れてご飯の支度もスムーズになり、家族全員で炊きたてご飯と味噌汁を囲む朝のひと時は、体の栄養と心の栄養を取るための大切な時間となっている。夜ご飯の支度もまとめてできるというメリットもあった。

「どうしても時短や効率ばかり考えていると、大切なことがおざなりになりがち。そこを諭してくれたり、時には優しく叱ってくれたりする存在が保育園なんです」。

 この保育園は、朝、子どもを引き渡すときも、準備、衣服のチェック、おむつ替えなど、親がやらなければならないことは多い。その分大変だが、何くれとなく教えてくれる子育てのこと、親としての姿勢、時間配分の仕方まで、園から教わることは非常に多いと感じている。

 もうひとつ、上沖さんが両立をする上で欠かせない要素は「共感してくれる人の存在」だ。ご主人もそうだが、遠くに住むお母さんの存在は上沖さんにとって特に大きい。

 宮崎に住むお母さんには、2日に1回は電話をかけて、時には30分くらい話すことも。仕事のことから子どものことまで全部話す。お母さんは解決策を言うわけでも批判をするわけでもない。ただ聞いてくれる。それだけでうれしいのだという。

 なんでも言えて聞いてもらえる存在が、上沖さんに翌日にストレスを残さないリラックス効果をもたらしている。

「さて、おばあちゃんに電話しよ」。ワーママから娘の顔に戻る瞬間だ

 上沖さんには、一見マイナスに思えることでも、地道にコツコツ続けることでプラスに変える強さがあるようだ。ちょっぴりシャイだが我慢強い。これからもその良さを活かして、就業弱者や後輩のために、回り道や凸凹道もコツコツ休まず登って山頂までいってほしいと心から思った。

Column

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2013.10.17(木)
text&photographs:HITOMINA