花屋さんで入手しやすい品種5選
バラを楽しみやすい時期を把握したら、次は名前です。
10万種を超えるともいわれるバラの品種の中には、価格や品質、人気、扱いやすさなどが優秀で、季節を問わずに花屋さんによく並ぶ品種がいくつか存在します。
おすすめを5点ご紹介しますので、ぜひ名前を覚えておいてくださいね。
最初にご紹介するのは「サムライ」。結婚記念日やプロポーズ、お店の装飾などに大活躍するため、赤いバラを常に置いている花屋さんは多いと思います。
なかでもこのサムライは、深紅の色が美しく、花の持ちもいいので人気があり、赤いバラの定番となってきている品種です。
名前にインパクトがあるので覚えやすく、手にも入りやすい。バラの入門篇としておすすめの1本です。
連載の「ブルームカレンダー」では、サン・ジョルディの日に合わせて、ドラゴンの花器とコーディネートしています。
2番目にご紹介するのは「カフェラテ」。ブラウンに少しピンクを混ぜたような淡い色合いが特徴です。
ニュアンスのある優しい色合いは野草系の花材との相性が抜群で、花束にすると、自然の花畑からそのままつんできたような仕上がりになります。
感度の高い花屋さんだと、出会える確率はもっと高くなるかもしれません。少しスパイシーな香りも名前にぴったりです。
ブルームカレンダーでは、コーヒーにちなんでスタイリッシュなドリッパーに生けています。
3番目にご紹介するのは「イブピアッチェ」。バラの香りにはいくつか種類がありますが、これぞバラの香りという王道がダマスク系。イブピアッチェはこのダマスク系の香りが最も強く感じられるバラのひとつです。
香りがあるバラは意外と少なく、花屋さんで香るバラにいつも出会えるかというとそうでもありませんが、イブピアッチェは流通量が比較的多い品種。香るバラの中では出合いやすい種類といえます。
花屋さんで見かけたら、ぜひそのエレガントな香りを試してみてください。
ブルームカレンダーでは、香りを最大限に生かすためグラスの中にすっぽり入るようにイブピアッチェを生けています。
4番目にご紹介するのは「アヴァランチェ+」。
混ざり気のない純白が美しいアヴァランチェ+。白バラの定番として、特にウエディングブーケや装飾に人気で、オランダ皇太子の結婚式でも使用され話題となりました。
枝変わりの仲間で淡い黄桃色のピーチアバランチェや、ピンクが可愛いスイートアヴァランチェなども出ているので、アヴァランチェシリーズで探してみるのも面白いです。
ブルームカレンダーでは、本数によって変わるバラの花言葉を紹介し、2本のアヴァランチェを11月22日のいい夫婦の日に贈る提案をしています。
最後にご紹介するのは「エクレール」。
切り花のバラは大きく分けて2種類に分類されます。1つの茎に1つの花が付いているスタンダードなタイプと、1つの茎から枝分かれしていくつかの花がついているスプレータイプです。
エクレールはスプレータイプのバラ。丸い花びらが集まってコロンとしたシルエットになっているのが可愛らしく、緑色がナチュラルな印象を与えます。
こちらも、野草系の取り扱いが多い感度の高い花屋さんでは出会える確率が高くなると思います。
ブルームカレンダーでは、いくつか花がついているスプレータイプならでは楽しみ方をご紹介しています。
いかがでしょうか、あなたのお気に入りの1本はありましたでしょうか?
今回はバラのある暮らしを手軽に始めるコツとして、価格の下がる時期に注目することと、花屋さんで出回りやすい品種を覚えることをご紹介しました。
豊富な種類、エレガントな佇まい、スイートな香り。バラには他の花にはない唯一無二の魅力があります。
「時期」と「名前」を上手に利用して、この夏はバラのある暮らしを始めてみましょう。
協力(画像提供):はなどんやアソシエ
東京の市場で仲卸業も営む、日本最大級の花材通販。今回ご紹介したバラの品種のほか、プロが利用するようなマニアックな切り花も満載。
https://www.hanadonya.com/
Column
新しい私を、花と。
Playful Flower Life!
花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。
2022.07.10(日)
文=佐藤俊輔