「これ、すごく好き」と思えるモノは、自分らしさの種となり、あなたという人の輪郭を描いてくれるものになる。ジュエリー・ディレクター伊藤美佐季さんおすすめのアイテムを紹介します。
DIOR
ピアス「Ouiコレクション」
数カ月前に購入して以来、お風呂に入るときも眠るときも肌身離さず着けているのが、ディオールの「Oui」ピアス。
私は常に何かしらのジュエリーを纏っていたい性分で、今までもブレスレットやバングルなどを身に着けていたのですが、最近新たに加わったのがこのピアスです。
毎朝、鏡を見たとき、「Oui」(仏語で「Yes」の意味)という言葉が目に入ると、ポジティブな気持ちになれるのが良くて。
寝ても疲れがとれず元気が出ない朝や、嫌なことがあった日も、このピアスをしている自分を鏡で見ると、「よし、頑張りますかね」という気持ちになれるんです。
もともと、私はレタリングが施されたアイテムに目がなくて、いつも持ち歩いている「ビュリー」のリップケースや「和光」のハンカチもイニシャル入りのもの。
ジュエリーでも自分の名前が入ったブレスレットや、名前の頭文字であるMが施されたネックレスなどを持っています。レタリングは必ずしもイニシャルである必要はなく、美しくデザインされた文字が好きなんです。
このピアスは、ゴールドの線で書かれた、手書きのような温かみのある書体が気に入って。ちょこんと片耳にすると、旬のモード感が漂い、装いが軽やかに仕上がる気がします。
この「Oui コレクション」は、何年も前から定番としてあったもの。もちろん私もこのコレクションのことは知っていましたし、撮影で使うたびに可愛いなとは感じていたのですが、自分のために買いたいとは思っていませんでした。
それが、今年に入って急に「欲しい!」という気持ちになったのです。その理由は、長引くコロナ禍のなかで、自分を励ましてくれる前向きな意味を持つレタリングや、シングルピアスの遊びっぽさなどが、今の自分の気持ちにフィットするタイミングだったからだと思います。
同じものを見てもピンとくるときと来ないときがあるのが面白いですよね。つくづくジュエリーって自分の心とのバランスが大事なのだなと思うのです。
クリスチャン ディオール
フリーダイヤル 0120-02-1947
https://www.dior.com/
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を生かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)
Instagram @jewelryconcierge_m
※記事内のYG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールドを表します。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2022.06.20(月)
Text=Miwako Yuzawa
Styling=Misaki Ito
Photograph=Kazuki Nagayama(S-14)