場所にも時間にも縛られない

 現在は那須と東京、実家のある宮崎の3箇所を拠点に、牧場の経営、芸能活動、社会支援活動、そして育児をこなしている。場所にも時間にも縛られないそのスタイルに、やっと時代が追いついてきたようにも見える。

「確かに、いろいろな働き方が認められる時代になってきて、こういう私でも受け入れてもらいやすくなったかも(笑)。

 まだまだやりたいこともたくさんあって、商品プロデュースから物流まで一気通貫で行えるシステムを那須ファームヴィレッジで構築したいし、経済活動と社会支援活動を循環型で繋げる仕組みもつくりたい。

 私個人としては植物の力をプロダクトに取り入れるバイオテクノロジーを勉強したいと思っています」

 事業を拡大したいわけではない。求めているのは、周囲の人たちがみんな笑顔で、楽しく健やかに生活できる場所をつくること。とりわけ大切にしたいのは、子どもたちとの暮らしだと力強く語る。

 「子どもたちが帰国するときは、どんなに忙しくても絶対に休みをとらせてもらいます。彼らとの生活は何があっても崩したくないし、そのためにも自分が幸せでヘルシーであることが大事。だから最近は、体のケアも仕事のうちと考え、自分をいたわっています」

ある日のTime Schedule

・6:00 起床

・7:00 ファームに出勤
関連施設や厩舎の点検、馬の様子をチェック、スタッフと顔合わせ

・9:00 メール処理や企画書、売り上げの確認、東京のスタッフとMTG

・13:00 ランチ兼ファームのスタッフとMTG

・14:00 取材やお客様の対応
終わったらファームECサイトの発送準備や自身が手がけるThink The DAYの防災セットの梱包に発送準備など

・17:00 スタッフMTG
企画の提案や交流などを楽しむ大切な時間

2022.04.04(月)
Text=Yuko Harigae(Giraffe)
Photographs=SAI
Hair & Make-up=Midori Fukuda

CREA 2022年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

あたらしい暮らし 楽しい暮らし

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「CREA」2022年春号の特集は、「あたらしい暮らし 楽しい暮らし」。激動する時代の中“楽しい暮らしの正解”はなくて、きっとそれは百人百様。でも人生100年時代となり、キャリアがマルチステージ化していくと言われる世界を、自分らしく楽しむためには、自分の中に「種」を持っていたい。今すぐじゃなくても、ちょっと先の未来に芽が出るような、小さくても、強い種を――。