つくり手側の人間がみんなで一緒に喜べたことが本当に嬉しかった
その「思いもよらないこと」のひとつが、ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」のオファー。人の心が読める魔法を手に入れた30歳の童貞男子・安達が主人公で、町田さんは赤楚衛二さん演じる安達に密かに思いを寄せる、爽やかな営業マンの黒沢を演じている。ふたりの不器用でピュアすぎる恋愛模様と、優しい世界観が話題を呼び、この春、映画版も公開されることに。
「光栄でした。現場には映画畑のスタッフさんが多かったので、ドラマの時から『映画化できたらいいな』と話していたんです。だから映画の現場でお会いするのが楽しみで楽しみで。
撮影初日には、超ベテランのカメラマンさんが駆け寄って来て、『やったね! よろしくね!』と声をかけてくれたんです。そうやってつくり手側の人間がみんなで一緒に喜べたことが本当に嬉しかったです」
ドラマ版でめでたく恋人同士になった安達と黒沢。その後が描かれる映画版では、安達の転勤でふたりの関係性に変化が訪れる。
「心の距離がどう変化するかを描いていた作品に物理的な距離も加わるので、まるで3Dのように深みが加わった気がします。恋愛から愛に変わっていく過程をどう表現するかは、赤楚くんや監督の風間さんとも常にディスカッションしながら撮影していました。よりふたりの新鮮な変化を感じていただけると思います」
2022.04.27(水)
Text=Kozue Matsuyama
Photographs=Osamu Yokonami
Styling=Eiji Ishikawa(Tablerockstudio)
Hair & make-up=KOHEY