スタジオドラゴンの2020年の売り上げは、5257億ウォン(約525億円)と過去最高を記録。営業利益は491億ウォンとなり、それぞれ前年と比べると12.2%増、71.1%増だった。コロナ禍による巣ごもり需要でストリーミング利用者が増えたことが背景にあり、海外の売り上げは全体のおよそ44%を占める。

ドラマ制作に無関係だった企業も参入するように

 日本のドラマの海外輸出額は2018年度で約33億円だったことを考えると、スタジオドラゴン一社の海外の売り上げだけで、日本の7倍にもなる計算だ。

 このスタジオドラゴンの成功に触発され、同社のように企画・制作、流通、販売まですべてのプロセスを手がける、「スタジオ形式」のドラマ制作会社が韓国では増えている。

 制作会社は、自分たちが制作した作品の著作権を保持し、放映については系列の放送会社などにこだわらない。複数の販売先(放映先)と交渉して、有利な条件を得るためで、さらに放送権を海外に売ることでも利益を得ている。

 たとえば民放のSBSはドラマ制作会社「スタジオS」を設立したが、放映はSBSとは限っていない。またカカオのようなIT企業など、放送会社を系列にもたず、これまでドラマ制作に無関係だった企業も参入するようになっている。

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2022.01.30(日)
文=菅野朋子