演技初体験だったドラマ「GOLD」、そして最新作について。

――「身毒丸」オーディションでグランプリを獲った後、昨年はTVドラマ「GOLD」で天海祐希さんの次男役を演じましたが、これもオーディションだったんですよね?

   はい。「GOLD」はお芝居の仕方を3か月間、みっちり学んだ現場でした。役柄上、最初は陸上(競技)をやっていたのに、途中で水泳選手に転向し、さらにヴァイオリンも弾かなければならなかった。そんなできないことをやりながら、さらにできない演技もやっていましたが、今では最初のドラマ出演にしては、ちょうどいいぐらいのハードルの高さだったのかな、と思っています。

――今回演じられた『天国からのエール』のユウヤも、類まれなギター・テクニックを持った少年というハードルの高い役でしたよね?

   また、新しいハードルでしたね。でも、ウチの親父がバンドでギターをやっていたので、それが救いだったかなと思います。僕も必死だったので、家で教えてもらいました。ただ、映画の(ギター指導の)先生とは違う教え方だったので、それはそれで大変でした(笑)。今回共演させていただいた阿部寛さんの役作りには、いろいろと影響を受けました。休日に役の衣装を買って来られたり、弁当屋の主人という設定なので料理教室に行かれたりとか、病気のシーンを撮影する前にお風呂に入って減量されたりとか、ここまで作られるのか、と。それから、阿部さんも蜷川さんの舞台に出られたことがあるので、お話を聞きましたね。

――そのときに阿部さんからアドバイスはありましたか?

「蜷川さんから、いろいろ言われてください」とアドバイスされました。阿部さんが蜷川さんの舞台に出られたときは、稽古で何も言われなかったようなんです。だから、言われる方が羨ましいと。映画のクランクアップ後、「身毒丸」の稽古が徐々に始まって、蜷川さんにいろいろダメ出しをされています。阿部さんのアドバイスを聞いて、言われてあたりまえだと思っていますから、そんなに凹んではいないですよ。

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2011.08.26(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Asami Enomoto