映画を愛する青野賢一さんに、この秋、映画館で観たいと思う新作映画を聞きました。

 普段から映画館へ出かけている人はもちろん、そうでない人も必見の4本です。


迫力のサウンドに酔う音楽映画

『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

 ウッドストックと同じ1969年にニューヨークで開催された「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」。

 ブラックミュージックを代表するアーティストが顔を揃えたこの夏フェスの記録映像を、音楽プロデューサーでザ・ルーツのドラマーのクエストラブが映画化。

 演奏はもちろん、当時を振り返るインタビューも胸に迫る。

『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

監督:アミール・“クエストラブ”・トンプソン
出演:スティーヴィー・ワンダー、B.B.キング、ザ・フィフス・ディメンション、ニーナ・シモン、マヘリア・ジャクソン、スライ&ザ・ファミリー・ストーンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
現在TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国で公開中
https://searchlightpictures.jp/movie/summerofsoul.html

没入感を楽しみたい文芸映画

『ドライブ・マイ・カー』

 村上春樹の同名短篇小説が原作の作品。『寝ても覚めても』(2018)の濱口竜介監督がメガホンを取った。

 妻を突然失った演出家の家福(西島秀俊)は、広島国際演劇祭からチェーホフ『ワーニャ伯父さん』の演出を請われ、自家用車で広島に赴く。

 現地で手配された専属ドライバーのみさき(三浦透子)との車中での時間を通じ、二人は自分の過去に向き合うように。『ワーニャ伯父さん』が物語とシンクロしてゆく流れはお見事。石橋英子による音楽もいい。

『ドライブ・マイ・カー』

監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
原作:村上春樹
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生ほか
配給:ビターズ・エンド
現在TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国で公開中
https://dmc.bitters.co.jp/

2021.09.14(火)
Text=Kenichi Aono

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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