【KEY WORD:サイバー攻撃特別捜査隊】
サイバー犯罪の増加に伴い、2013年4月1日に警察庁が組織した捜査隊。13都道府県警(北海道、宮城、東京、茨城、埼玉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、香川、福岡)に設置。サイバー犯罪の捜査・情報収集他、特徴や背後組織などの分析、被害の未然防止などを専従的に行う。
今、国家間でSFみたいな攻防戦が繰り広げられている!?
「サイバー攻撃特別捜査隊」が4月1日、全国13の都道府県警察にいっせいに設置されました。インターネットを使った海外からの攻撃に対処するための捜査チームです。
ここ数年、国と国のあいだでインターネットを使って攻撃する「サイバー戦争」が相次いでいます。日本でも霞が関のウェブサイトが何者かに書き換えられる事件が起きています。
お隣の韓国では3月下旬に、テレビ局や銀行のコンピュータが次々にダウンし、銀行ではATMが使えなくなってしまいました。犯人はまだ不明ですが、北朝鮮のサイバー攻撃だったのではないかともいわれています。また2010年には、イランの原子力発電所のコンピュータがウィルスに感染する事件があり、これもアメリカとイスラエルが共同開発した「ウィルス兵器」によるものだったと噂されています。
東アジア情勢の緊張が高まっている今、他国の何者かから日本がサイバー攻撃を受ける可能性はきわめて高まっているといえるでしょう。電力やガス、水道といった重要なインフラを担うコンピュータを破壊されれば、私たちの生活が突然ストップしてしまう事態にもなりかねません。
しかしこれまで日本の警察は、インターネット犯罪の捜査があまり得意ではありませんでした。たとえば昨年のパソコン遠隔操作事件では、遠隔操作されていたパソコンの持ち主を誤認逮捕してしまうという失態を犯しています。サイバー攻撃の技術が進化しているにもかかわらず、警察に専門家が少ないのが原因です。
そこで新しく設置されたサイバー攻撃特捜隊には、サイバー犯罪捜査にかかわってきた刑事だけでなく、民間企業の技術者も登用することが決まり、また海外からの攻撃の可能性が高まっていることから、中国語や韓国語、ロシア語などに堪能な警察官も加わることになるようです。
これを機会に日本の警察もサイバー犯罪の捜査能力を一気に高め、これから起きるであろう事態に備えてほしいと思います。
2013.06.04(火)