龍が空に舞い上がる姿が見られる!? 天橋立名物の“股のぞき”に挑戦!
![「日本の名水百選」に選ばれている、天橋立の磯清水。和歌にも詠まれています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/1280wm/img_7aaa12cb1eec0d41841f87c30eb6f907246155.jpg)
天橋立をテーマにした作品は、絵画や和歌、日本庭園の様式美など、数多く生み出されました。
なかでも国宝の「天橋立図」は、雪舟が晩年に描いた大作です。天橋立を画面中央に、信仰の対象の寺社や参道、塔などが精緻な筆致で描かれています。500年前の室町時代の風景ながら、今も寺社が残り、絵図をたよりに回ることができるのは驚きです。
南北に伸びた天橋立、まずは「天橋立駅」から行きやすい南側から探訪してみましょう。
駅から5分ほどのリフト乗り場から、海抜130メートルの「天橋立ビューランド」へ。ここからは天橋立の宮津湾側のビーチの様子がよく見えます。海に張り出した砂浜や、波線のように続く砂浜、青々と茂る松並木、写真でよく見る風景です。
![名物“股のぞき”を近くにいた運動神経のよさそうな男の子に実践してもらいました。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/1280wm/img_e9d442d4ba16ee6f49a23a2db41eb5e1120969.jpg)
天橋立名物の“股のぞき”に挑戦してみました。
これは天橋立を背にして立って、腰を曲げ、股の間から眺めるポーズで、空と海が逆になり、龍が空に舞い上がるように見えるというもの。その眺めを“飛龍観”と呼びます。
股のぞきは、通常で見るよりも視界が小さく縮み、奥行きが少なく平らに見える効果があるそうですが、実際にやってみると……龍に見えるかどうかの前に、こわい。高所から望む遮るもののない風景、いつもと違う感覚にびびってしまいました。
![天橋立ビューランドへはモノレールまたはリフトを利用して訪れます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/1280wm/img_55921ffd2ec44d7bfd50b91d4d5543b3279681.jpg)
続いて、天橋立を歩いてみることにしました。
陸地の文珠地区から天橋立に渡る「廻旋橋」は、船の往来時に橋が90度回転するという仕掛けのあるもの。歌人・与謝野晶子もこの橋に関して歌を詠んでいます。
人おして廻旋橋のひらく時くろ雲うごく天の橋立
![こちらが廻旋橋。多い時には1日40回ほど、回転しているそう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/1280wm/img_46f7c14dada70286c11f09a7608e1abc257571.jpg)
与謝野晶子は夫婦で、また夫の与謝野寛(鉄幹)が逝去後も一人で天橋立を訪れています。今は電動ですが、彼女が訪れた当時は人が押していたのですね。ちなみに、与謝野晶子は天橋立に2泊して、60首も作ったとか!
宮津湾側の砂浜に出てみました。砂はきめが細やかでややベージュ色、穏やかな海は透明度も抜群。夏には海水浴場としても人気です。
![穏やかな水面も、観光ボートが通り過ぎると、ちょっとした波が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/1280wm/img_f03143ab56fdd938947fc06b8bfd82ba147975.jpg)
2021.05.22(土)
文・撮影=古関千恵子