愛猫にはいつまでも健康で長生きしてもらいたいもの。そのヒントを凝縮した『ネコのカラダにいいこと事典』(監修:臼杵 新)から、ネコの健康と長寿に役立つ情報をお届けします。
ネコの最強のストレス解消法は、かくれんぼや鬼ごっこ!
【POINT 1】野生の感覚を尊重しよう
ネコには、野生の肉食動物だったころの狩猟本能が残っています。そのひとつが、物陰に隠れて昆虫や小鳥などの獲物を待ち、相手が近づいてきたら素早く飛び出すこと。ネコ同士でも、相手が見つけに来るまで物陰で待っているような遊びをよくしますよね。
【POINT 2】狩りを模した遊びを
子ネコや若いネコにとって、かくれんぼや鬼ごっこといった遊びは、狙う・隠れる・飛びつく・捕まえるなど、狩りに必要な技術を獲得するための訓練を兼ねたものです。そうした習性をふまえて、遊び方を考えるといいでしょう。
【POINT 3】かくれんぼがおすすめ
ネコは自分だけではかくれんぼや鬼ごっこはしませんが、飼い主が相手になってあげるとどこかに隠れて探してもらうような行動を起こします。こうした遊びは、とくに狭い部屋で暮らす単頭飼いのネコには、運動不足の解消やストレスの発散になります。
隠れたネコを探してあげる遊びをしよう!
ネコと一緒に部屋にいるとき、ネコが不意にどこかに隠れたら、探すフリをしてみましょう。ネコはその反応に喜び、物陰やベッドの下に隠れ続けたり、通り過ぎた背後から飛びついてきたりすることでしょう。遊び方は自由にアレンジしてくださいね。
●名前を呼ぶ
隠れているネコの名前を呼んでみましょう。ふだんは名前を呼ぶと寄ってくるネコが、かくれんぼのときは隠れ続けることもあります。
●気づかないフリをする
あなたからはネコの顔やお尻が見えても、気づかないフリをしてあげましょう。しばらくするとネコのほうから飛び出してくるかもしれません。
●飼い主が隠れる
ソファや本棚の陰に隠れてネコの名前を呼んでみましょう。声はするけど姿が見えないことをおもしろがり、探し始めますよ。
注意点
ネコは紙袋や箱、カゴ、バッグなど、出入りしやすい小さな密室に入るのが大好き。これは、狭い場所にいると安全に過ごせ、気持ちが落ち着くからです。かくれんぼのときは、ネコが入りたがるものを部屋のあちこちに置いておくと、たっぷり遊べますよ。
プラスニャンPOINT
運動不足の要因には、完全な室内飼育、単頭飼い、室内に走り回るスペースや高く登れる場所がないことや、飼い主が遊んであげる時間が少ないといったことが挙げられます。理由がなんであれ、運動量が減って肥満になってしまうと、さまざまな病気のリスクが高まります。
臼杵 新(うすき・あらた)
獣医師、ウスキ動物病院(埼玉県さいたま市桜区)院長。1974年生まれ。麻布大学獣医学部獣医学科卒業の後、野田動物病院(神奈川県横浜市港北区)などでの勤務医を経て、現職。「動物と飼い主の両方を幸せにする治療」がモットー。著書に『イヌの老いじたく』『イヌを長生きさせる50の秘訣』(ソフトバンククリエイティブ、サイエンス・アイ新書)、監修書に『猫にいいものわるいもの』『犬にいいものわるいもの』(三才ブックス)などがある。
『ネコのカラダにいいこと事典』
監修:臼杵 新 発行:世界文化社
「愛猫の健康長寿」を願うすべてのネコ好きのための暮らしの実用書。ネコの「生活」「遊び」「老い」「病気」について、2ページ1項目を基本にテーマを設定。それぞれに「POINT」や「プラス・ニャン(ワン)POINT」を挙げて簡潔に説明します。
ネコのカラダにいいこと事典
2021.05.17(月)
監修=臼杵 新
イラスト=ささきともえ
文=倉田 楽、東野由美子
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