男性の育児休業の取得率は現在何%だかご存じですか? 2019年度で7.48%です。2015年の時点で政府は、2020年度までに男性の育休取得率を13%に引き揚げるという目標を掲げていましたが、その目標には遠くおよびそうにありません。
 
 しかし、私が父親になった2002年は0.33%、イクメンという言葉がメディアに登場し始めた2007年は1.56%、イクメンが流行語大賞になった2010年は1.38%でしたから、育児メディアの編集者としてそのころからこの数字をベンチマークしてきた私にとっては、7.48%という数字そのものには、それでもだいぶ増えたなあという印象があります。
 
 特に若い人たちの間では、男性も育児や家事をするのが当たり前という考え方は広がっているのを感じます。一方で、どんなに相手のことを思っている夫婦にもボタンのかけ違いが起こるのが、古今東西の世の常。特に子育て期間中はボタンのかけ違いが起こりやすいものです。

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 そこで、子育て夫婦のボタンのかけ違いを解消するヒントとして、拙著『パパのトリセツ2.0』から「パパのタイプ」を診断する簡易なテストを抜粋します。心理学の交流分析という理論を参考にしてはいますが、そんなに厳密なものではないので、遊びとして夫婦で楽しみながらやってみてください。

 各タイプの説明はちょっと極端にしてありますが「こういう傾向があるんだって」と夫婦の会話のきっかけになり、少しでもすれ違いを防ぐ一助になれば幸いです。

 

パパの心の傾向を5つのタイプに分類

 パパは、以下の10の質問に「あてはまる(3点)」「どちらでもない(2点)」「あてはまらない(1点)」のいずれかで答えてください。

Q1:他人に指図されるより、指図するほうが多い
Q2:捨て猫や捨て犬を見ると放っておけない
Q3:買い物するときは事前によく比較検討する
Q4:「やった!」「すごい!」などの言葉をよく発する
Q5:「何が食べたい?」聞かれても「なんでもいい」と答えることが多い
Q6:「けじめ」「義理」などの言葉を好む
Q7:ほめ上手なほうだ
Q8:「合理的」「論理的」などの言葉を好む
Q9:いつも楽しいことを探している
Q10:人からどう見られるかを気にすることが多い

 そして、下記のように点数をA〜Eの項目ごとに足します(A(Q1+Q6)、B(Q2+Q7)、C(Q3+Q8)、D(Q4+Q9)、E(Q5+Q10))。

 
 

 A〜Eの中で最も点数の多いところがあなたのタイプになります。複数の項目で点数が最高の場合は、複数のタイプの特徴を併せもつということです。

 

A:厳格律儀カミナリオヤジタイプ

 ひと言で言えば、昔ながらの頑固オヤジタイプ。今どき珍しい、どちらかというと旧型のパパです。「サザエさん」の磯野波平を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

 曲がったことが大嫌いで、義理人情にも厚く、頼りがいがあるところが最大の長所。「一家の大黒柱」という存在としては申し分ありません。

 一方で、融通が利かなかったり頑固だったりするので、ちょっぴり扱いにくいのが難点。自分自身が厳しい価値観に基づいて生きているため、他人に対しても厳しく接してしまいがち。それが、ママに対しては批判、子どもに対しては叱責という形で表れやすく、現代の家庭の中では煙たがられることもあります。

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「父親の威厳」を大切にするので、ときどきヨイショも必要で、実は結構手がかかります。パパがこのタイプの場合、家族の「名誉リーダー」としての地位を与えると、おさまりがよくなります。

B:母性優先二人目ママタイプ

 世話好きで、思いやりがあります。人の話を聴くのが上手で、ほめ上手。みんなから好かれます。尾木ママのイメージです。このタイプのパパがパートナーなら、一般的な男女の役割意識にとらわれず、自由な発想で夫婦の役割分担を決めることができるはずです。

 ママがやろうとしていることを先回りしてやってくれちゃったりするのもありがたいのですが、ともすると「おうちの中にママが二人」みたいになってしまうこともあります。また、面倒見がよすぎるため、子どもを甘やかしてしまうこともあります。

 そこで、「お願いされたことはやってあげたくなっちゃう」という特徴を利用します。「ちょっと厳しさが足りないな」と思うなら、「時には、子どもの前で厳しさを見せてほしい」などとお願いしてみるのもいいでしょう。

2021.02.27(土)
文=おおたとしまさ