“いつかの旅”に「ニセコ」という選択肢


これまで経験したことのなかった激動の2020年。ライフスタイルは大きく変わりました。
そんな中でも旅を夢見る私たちの心は自由です。新しい年を迎え、心に残る旅を再開する日を願いながら、いつか訪れるためのとっておきの場所のひとつ。それがニセコです。
この10数年、ニセコはインバウンドと呼ばれる海外からの観光客に人気が高く、特にウインターシーズンはまるでヨーロッパや北米のスキー場にいるかと思うほど外国人であふれていました。

コンビニでの会話も英語、レストランのメニューも各国語対応などまさにインターナショナルな環境でニセコは世界屈指のスノーパラダイスとして一気に知名度がアップ。
ただ、弊害もありました。リフト代やホテル、食事などの物価は海外相場にならい日本トップクラス。ゲレンデからホテルまで常に混雑していました。
さらに1年前から宿の予約を入れるのがスタンダードな外国人ゲストも多く、年末年始を過ごすことはとても贅沢なことに。
そんな環境から常連だった日本人スキーヤーやレジャー層がゆっくりと離れていく現象が見受けられたのも事実です。

でも、今年のニセコは違います。ご存じのようにコロナの影響で海外から訪日する外国人レジャー客は限りなく少なくなります。
昨冬は12~2月の3か月間だけでも約6万人の外国人客が訪れたニセコですが今年は地元の方が「20年前の静かなニセコが戻ってくるのでは」と話すほど。
インバウンドブームになる前ののんびりとしたニセコになるのでは、と話題になっています。
2020.12.29(火)
文=寺田直子
撮影=秋田大輔、Niseko Tourism