葛飾北斎に影響を与えた作品が残る寺院めぐりもおすすめ
いすみでは、“波の伊八”の異名をとる彫刻師の武志伊八郎信由(たけしいはちろうのぶよし)の欄間作品が残る寺社めぐりもおすすめです。
東頭山行元寺の「波に宝珠」の波は、あの葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に多大な影響を与えたとされます。が、湾内である神奈川沖にあれほど巨大な波が? 題名になぜ“富士山”を付けなかった? など、ガイドさんの話を聞くと、驚きと発見の連続です。
海近くにある明王山飯縄寺(いづなでら)の伊八の作品も、大迫力。けやきの木目を生かしながら彫られた欄間は、外陣の左右で、穏やかな波と荒々しい波に表現が分かれています。
立ち上がった波のフェイス部分(えぐれ部分)は、まるでサーファー視線。波をすべり下りてくる瞬間に目にする、あの光景に思わず興奮してしまいます。
2つの寺ともに、絵師の堤等琳の作品も鑑賞することができます。等琳もまた、葛飾北斎に影響を与え、深い関わりがあるそう。希代の天才たちが、いすみで実は点から線につながったストーリーがあるとは。
歴史的な芸術家のみならず、太巻き寿司を図柄のように仕上げるなど、ここには感性を刺激する何かがあるのかもしれません。
※新型コロナウイルス感染防止のため、来訪の際は自治体のホームページをご参照ください。受け入れ側にお問い合わせのうえ、ご判断ください。
太東
●アクセス 東京から車では京葉道路や千葉東金道路を経由するなど、所要時間2~3時間(渋滞による)。電車はJR東京駅発京葉線 特急わかしお→JR大原駅下車、所要時間約80分。
【取材協力】
楽働会(太巻き寿司作り体験) http://rakudokai.biroudo.jp/いすみ市観光協会 http://www.isumi-kankou.com/
ツーリズムいすみ https://www.isumi-tourism.jp/
Column
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2020.10.10(土)
文・撮影=古関千恵子