多才な活動の原動力もアニメに夢中になることから

――アニソン・アーティストとしての活動のほかに、ウェディングドレスのプロデュースなど、多才に活躍されているかと思います。これから先、挑戦してみたいことがあればお聞かせください。

私のような、身長が低い人に似合うロリータ服を作りたいです。それから、いつかアニメやロリータファッションが好きな人たちと、趣味のことを語るお茶会も開いてみたいな。

ロリータは一度ハマるとずっと好きになってくれる方が多いファッションです。きっかけさえつくれば、ずっとロリータの沼に沈んでくれるはず(笑)。私自身いろんなきっかけをもらったファッションだからこそ、今度はそのきっかけを与えられる人になりたいな、と思います。

――「KERA」のモデルとしての春奈さんのイメージを持っている方も多いかと思います。ロリータファッションなど、ファッションのプロデュースの際に、発想の源となるものはありますか?

それも完全にアニメから。アニメのことばっかりですね(笑)。
ファッションでアニメの概念を表現しているというか。できる限り二次元に近いものを生み出したいんです。

そのときハマっている作品から着想を得てデザインを提案したり、コーディネートを組むときも、アニメやゲームのイメージを取り入れたりしています。
お洋服の色味とか、コーディネートはそのときの推しで変わります。

――現在はまだやっていないジャンルの活動で、今後挑戦したいことはありますか?

ファッション以外には、いずれはYouTubeのチャンネルでゲーム配信もしたいと思っています。ファンの皆さんと一緒にゲームができるような企画を考えていきたいです。

コロナ禍で、なかなかライブの開催は慎重になってしまう状況ですが、私には音楽以外にもたくさんの趣味があるので、それを活かせたらと。実際、YouTubeをきっかけに私のことを知ってくれた方もいて、今後はそういった方々にも春奈るなの音楽に興味を持ってもらえるように考えていきたいです。

最初は「いつになったら前みたいな活動ができるんだろう」と焦りもしましたが、いまは無理にこれまで通りに、と思いすぎず、ファンの皆さんと一緒に楽しみながら、次の方法を考えていきたいと思っています。

――コロナ禍のなかで、活動の支えはどのようなことだったのでしょうか。

精神的な支えになったのはネットでした。自宅にいながら、インターネットを通じて、アニメや本、ゲームが楽しめたこともありますが、ファンの皆さんとのSNSでの交流も、「みんなと繋がっている」と感じられて、不安な気持ちを解消してくれました。

今の一番の願いは、みんなが心から安心して楽しめるような環境で、いずれ必ずライブをしたい! それまで私を含め、みんなが身体も心も元気に過ごせることを願っています。

――春奈さんご自身が、エッセイや文章を書いてみたいという気持ちはありますか?

字を書くことは好きで、小さい頃は作詞に夢中でした。小学校卒業の門出の言葉で「作詞家になりたいです」って言ってたみたいで。

今も自分の曲では作詞をしています。書くことは好きなんですが、アニメやゲームから想像を広げた小説を、どこに発表するわけでもなく、個人的に書いているくらいです(笑)。

友達に送って、感想をもらっています。大人になってもオタクの友達がいるだけで、子どもの頃の気持ちを忘れないでいられる気がしています。

©根本好伸
©根本好伸

――子どもの頃のわくわくする気持ちや、アニメからもらう元気をずっと持ったまま、アニメを好きで居続けていることが、春奈さんの魅力だと感じました。
最後に、文藝春秋の電子書籍を買ってくださる皆さんにメッセージをお願いします。

本はいろいろな世界に連れて行ってくれたり、自分の人生の糧になることを教えてくれたりします。

しかも、それがスマホでも持ち歩ける時代なので、この機会にたくさんの作品を読んで、人生を彩ってほしいと思います!

2020.09.18(金)
写真=根本好伸