上質だから気持ちいい クセになるお灸!?

 ここでは、お灸の気持ちよさも特筆もの。

 ぽかぽかと温かく、やけどの心配もありません。

 体の状態や症状に合わせて、さまざまな種類を使い分けています。

 「お灸に使用するもぐさは、ほとんどが国産のよもぎから作られた上質なもの。

 中国産のもぐさと比べると、けむりが少なく、強いにおいもありません」

 「皮膚に直接のせるもぐさは、新潟県産の高級もぐさで3年以上寝かせたものを使用します。

 やわらかい温熱で程よい刺激がクセになりますよ」


 鍼灸の効果は、WHO(世界保健機関)でも認められています。


 有効とされる症状は多岐にわたり、肩こり、腰痛といった筋骨格系のトラブルに、慢性胃炎、頭痛、めまい、難聴、耳鳴り、胃炎、メニエール病、自律神経失調症など、現代医療の標準治療でコントロールしにくい症状も含まれます。

 「人の体は、ストレスや過度の負担をうけると緊張し、血行不良を起こします。

 すると血行不良は、コリや冷えの原因となるだけでなく、栄養が体のすみずみまで届きにくくなって困った症状を引き起こしたり、病気やケガの治癒を妨げたりします」

 鍼灸とは、適切で気持ちのいい刺激を与えることで、副交感神経を高め、全身をリラックスさせ、滞った血流を改善させるもの。

 「たとえば慢性胃炎の場合、鍼で直接は施術できません。

 ただ炎症や痛みによって起きた周辺組織のコリや、血行不良は緩和できる。間接的な施術は可能です」

2020.06.10(水)
文=伊藤由紀
撮影=佐藤 亘