日本の美容界にもサスティナビリティの波がきた!
世界中で、私たちの大切な地球を守ろうとする動きが活発になっている今、日本でもようやくサスティナブルな取り組みを掲げるブランドが増えてきた。
花王はプラスチックボトルレス化の推進を宣言。詰め替え用フィルム容器がそのまま本体としても使えるブランド独自の「スマートホルダー」の開発など、リデュースイノベーションを進めている。
アルビオングループは2020年4月にリニューアルするブランド、「イグニス」の商品容器の一部に、石油資源の使用量削減とCO2排出削減につながると言われているバイオマスを使用。今後はグループ内の他のブランドを含め、バイオマス容器の使用を拡大していくと言う。
地産地消をキーワードに、国産の原料にこだわっているのはTHREEとITRIM(イトリン)。
THREEは、他国の貴重な原料を使わないだけでなく、廃棄農園になってしまう茶畑をなんとかできないか、という地域の課題にも向き合いながら栽培した、オーガニックの茶の実や花をキー原料として採用している。
ITRIMは国産農作物の未利用資源を活用。例えば、本来であれば捨ててしまう夕張メロンの種から油を搾り出し、角質の水分量を増加させる良質な化粧原料として復活させている。
これらのブランドのように、国産の原料を工夫して使う取り組みは、生産者の保護、放棄農園の減少を止めることにつながっているのだ。
自然にも人にも影響があるものは 使わない
そして、ポーラ・オルビスグループは2018年度内にはマイクロプラスチックビーズの使用廃止、エトヴォスは設立当初から紫外線吸収剤を採用していない。洗顔料などに用いられるマイクロプラスチックは、洗浄効果を高めるとされ、広く使われていたが、生分解性が低く水に流しても溶けないために、海の汚染の原因になっているのだ。
また、紫外線吸収剤配合の日焼け止めは珊瑚の白化の原因になるとして、パラオやハワイのビーチでは販売・使用を禁止する動きが広がっている。
2020年、2月19日にデビューしたアスレティアのスローガンはずばり「クリーンビューティ」。アシタバやシソなど、日本の原料を積極的に使用し、エキスを抽出した後の残渣は、肥料としてリサイクル。
さらに化粧水の容器には、色にバラつきが出てしまうことからリサイクル使用率が低かったカラーガラスをあえて採用。業界最高水準となる、リサイクルガラス使用率90パーセントを実現した。
化粧品は私たちに夢を与えてくれる一方で、植物の恵みを消費し、多くのプラスチックボトルを使用している。その恩恵を受けている私たちこそ、サスティナビリティを意識した、自分も環境も大切にするコスメを購入することが大切なのだ。
2020.03.29(日)
Text=Maki Wakamatsu