WHO(世界保健機関)が「パンデミック」(世界的な大流行)を宣言した新型コロナウイルス。もはや、いつ誰が感染しても不思議ではない状態となっている。予防に力を入れることはもちろん重要だが、万一、自分が感染した時を想定した対策を講じておく必要がある。

 そこで21人の臨床医に、自分が家庭内で実践している、あるいは“その時”が来たら実践するであろう取り組みについて、アンケート様式で答えてもらった。

家庭内では どこまで消毒するべきか?

 厚労省が公表している、感染が疑われる場合の家庭内の対策の中でも、手洗いの徹底やマスクの着用と並んで奨励されているのが、「家庭内での共有部分の消毒」だ。

 ただ、各家庭で「いったいどこまで消毒をすればいいのか」については、悩ましい問題だ。現場の医師の家族に感染の疑いが出たなら、自宅でどこまで消毒するのか。

「テーブルとソファ、各種リモコンは特に消毒を心がける」(B医師=50代男性、消化器内科)

「手に持って使ったものはすべてアルコール消毒(噴霧を含めて)」(M医師=60代男性、消化器外科)

「外出着はアルコール消毒(エアロゾル)を日常的に」(F医師=60代男性、心療内科)

「スプレー式のアルコール噴霧はある程度効果が期待できる。洋服が心配なら日光消毒かクリーニングも考慮」(K医師=60代男性、感染症・膠原病内科)

「家庭内ではあまり気にならないが、公共の場では神経質になる。電車の吊革のようなものに触ったら消毒する。人に貸したスマホなど、他人の唾液が付いた危険性のあるものは消毒する」(O医師=50代男性、眼科)

2020.03.21(土)
文=長田 昭二