清潔な色気につながるウェットな輝き
化粧品で色気を作るならという話をしよう。
言うまでもないが、しっかりメイクはいらない。赤い口紅とか強めのアイシャドウとか、そういうものをのせればのせるほど、実は色気から遠ざかっていく。これもひとつの色気の噓。
そして、必要なのは濡れたようなツヤなのだ。そもそも濡れ感こそ、目に見える色気。声にしろ、肌にしろ、瞳にしろ、濡れたようにうるおってウェットな輝きを放ってこそ、清潔な色気につながるのだ。
でもなぜ濡れ感? これは諸説あるけれど、人間は水がなければ生きていけない。人類の先祖も海にいた。つまり人間の生命感は体の中の濡れ感に宿る。
その生命感こそが人類の円滑な繁栄につながるからこそ、雄は濡れ感溢れる雌を追い求めるという仕組み。だから濡れツヤ、まとって出かけよう。
齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数の連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『“一生美人”力』(朝日新聞出版)、『されど“男”は愛おしい』(講談社)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2020.02.05(水)
文=齋藤薫
撮影=釜谷洋史
CREA 2020年2・3月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
CREA
2020年2・3月合併号
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