vol.27
TIFFANY & CO.
(ティファニー)
「ティファニー」の
ラウンド ペンダント

「バイ ザ ヤード」「ボーン カフ」「ビーン」……ティファニーのコレクションの中でも、私が特に好きなジュエリーには、共通点があります。
それは、エルサ・ペレッティという女性デザイナーの作品であるということ。
彼女が生み出すジュエリーの特徴は、優しい曲線が描く有機的なフォルム。まるでアートピースのような存在感のあるジュエリーは、ポンとひとつつけるだけで、つける女性の「世界」を作ってくれるのです。
今回ご紹介した「ラウンド ペンダント」は、大きなサークルの中にくぼみがあり、表面の波打つような凹凸が美しい陰影を作る、彼女の代表作のひとつ。

シルバーやラッカーなど、異なる素材のジュエリーもありますが、私が一番好きなのが、どんな服にも合い、長く愛せるイエローゴールドのタイプ。
同じデザインでも、素材が変わると表情も全く違うものになるのだということを実感したジュエリーでもあります。
地金のチェーンではなく、あえてシルクコードになっているのもモダンで洗練されて見える理由だと思います。
年齢に関係なく、ずっと慈しむことのできる“古びない”ジュエリーで、自分の「世界」を語る――。
このペンダントを、そんなふうに楽しむことができたら、素敵だなと思います。
「今回のスタイリングは、女性的な曲線が美しいペンダントだからこそ、あえて男性的な直線のフォルムの『ザ・ロウ』のドレスを合わせました」
「普段つけるのなら、黒のタートルの上や、深いV開きのトップスに合わせても素敵だと思います」
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。女性誌のほか、女優からも支持が厚く、講演などでも活躍。ジュエリーの楽しみ方に関する初の著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)発売中。

Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2019.10.26(土)
Styling=Misaki Ito
Photographed=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
Hair=Kota Suizu(SEPT)
Text=Miwako Yuzawa
CREA 2019年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。