■星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
(前篇)
国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。
この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。
かの芸術家も愛した
奥入瀬渓流に溶け込むリゾート
![雪に包まれた「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。寒さ厳しいこの季節にしか味わえない感動がある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/2/-/img_120a7c7ca5f8733972e023b400c408c9190295.jpg)
奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテルである「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、雪深い季節だからこその楽しみを教えてくれる場所だ。
冬季は休業していたこのホテルが、9年ぶりに冬季営業を再開したのは2017年のこと。スノーシューを履いて行う雪上ハイキングや渓流のガイドツアーなど、魅力的な冬のアクティビティーが整えられた。
![夏のイメージが強い奥入瀬渓流。一面が雪になる冬も感動的。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/-/img_503cc363f8d76eb5a76fd37dd5c44cd7162582.jpg)
車窓いっぱいに広がる雪景色に期待を高まらせながら、無料送迎バス(八戸駅、青森駅より)に乗り約1時間半~2時間で、「奥入瀬渓流ホテル」に到着。
![到着したゲストを迎えるのは、岡本太郎の遺作となった大暖炉。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/f/-/img_8fbaceade3760c3c2647ab9933098753201150.jpg)
館内に足を踏み入れ、まず目に飛び込んでくるのは、岡本太郎の遺作である大暖炉の「河神」だ。
奥入瀬渓流の美しい自然を表した彫刻は、その向こうの窓に広がる一面の雪景色と一体となって、雪の中はるばる来たゲストを「いらっしゃい」と迎えてくれているかのよう。
![「ラウンジ 森の神話」の中央を飾るのはこのスペースと同名の作品。一面の窓には、枝葉に雪が積もる美しい自然が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/f/-/img_bf4dc5cd762d90571478895acd6b9117149180.jpg)
このリゾートの中には、もうひとつ、岡本太郎の作品、「森の神話」がある。「河神」は水の妖精を、「森の神話」は森の妖精をイメージしたというダイナミックなアートは、いかにも、この地を愛した岡本太郎らしい。
![「渓流和室」は、ごろんと横になっていてもソファでくつろいでいても、すぐそこに渓流が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/8/-/img_b8913b8e05131aca6c305fbc8ce595a1133699.jpg)
東館と西館に分かれ187室を擁するこのリゾートで、もっとも自然を感じられる客室といえば、渓流に面した和室だろう。
派手さがなくシンプルなしつらえは、自然を最大限に楽しむための工夫。壁側の空間に、テレビやデスクなど機能的な部分を集約しすっきりとした空間が、窓の外の景色を引き立てる。
![「渓流和室」の窓際に置かれたソファは、絶景を眺める特等席。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/0/-/img_d03080049832e5284cc33047ee9bd038125447.jpg)
窓際には、足を伸ばしてゆったりと寛げるソファ。眼下には、木々が凍てつく厳しい冬も滔々と流れ続ける渓流が。
ここに座って自然を眺めているだけでも、心が癒される。
![客室でのんびりと雪見風呂が楽しめる露天風呂テラス付きのゲストルーム。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/4/-/img_847591fa847c3f124efbc707cc1492a1108499.jpg)
露天風呂テラス付きのスペシャルなゲストルームは限定3室。プライベートバスから見える渓流が雪化粧をし、いっそう美しさを増す冬。ちょっと贅沢をして、こんな部屋での滞在を楽しんでみたい。
2019.02.23(土)
文=芹澤和美
撮影=佐藤 亘