オシャレは嫌いじゃないけど、いまいち垢抜けない。ついつい変な柄物を着てオモシロに走ってしまう。困ったらボーダーに頼りがち……。多くの文系女子が抱えるファッションの悩みにとことん真剣に向き合った、痛快実用エッセイ『40歳までにオシャレになりたい!』が発売され、話題を呼んでいます。

 著者のトミヤマユキコさんが、体当たりで導き出した実用的なオシャレ法則のヒント、コンプレックスと向き合いつつオシャレする悦びについて、特別にレクチャーしてくれました!


一念発起してメイクレッスンへ
「立体感」でコンサバの総仕上げ

ライター・早稲田大学助教のトミヤマユキコさん。研究者ならではの持って生まれた性質を活かし、コンサバファッションを独自に調査・勉強して『40歳までにオシャレになりたい!』を執筆。
ライター・早稲田大学助教のトミヤマユキコさん。研究者ならではの持って生まれた性質を活かし、コンサバファッションを独自に調査・勉強して『40歳までにオシャレになりたい!』を執筆。

 洋服に時計、バッグ、アクセサリー。首から下はどうにかコンサバの答えらしきものが見つかっていく中で、変わらないのがトレードマークの前髪と90年代で止まったままのメイク。“美人見え”するのがコンサバのメリットなのに、このままではコンサバファッションのチャンネルが完成しない。そう気づいたトミヤマユキコさんは、メイクレッスンを受けることを思い立った。

「私は安室ちゃん世代で、目の周りを黒く塗るのが正義だと信じて30半ばまできてしまいました。でも、時代的にもうそれじゃダメなんだろうということは薄々気づいていたんです。でも、自力でどうにかするだけのメイクテクニックもなく、ずるずるとやり過ごしていたある日、自分ではかなり盛ったつもりで出かけた先で、知り合いから『今日、ノーメイク?』って聞かれたんですよ。

 これはもう、私の塗り方は間違っているということを認めないわけにいかなかったです」

メイクレッスンを受ける前の自己流のメイク。目の周りを黒く塗ったり、チークを斜めに入れたりする悪癖と、緩急のなさが災いし、濃い割に平面的な仕上がり。
メイクレッスンを受ける前の自己流のメイク。目の周りを黒く塗ったり、チークを斜めに入れたりする悪癖と、緩急のなさが災いし、濃い割に平面的な仕上がり。

 訪れたのは、全国に店舗展開する「アトリエはるか」。1万円以下で、プロによるメイクレッスンを受けられる。

「日本人の顔は平らだから、顔の中央がせり出して見えるような、立体感のあるメイクを施すと“美人見え”するそうなんです。そこを基本として、眉のグラデーションの描き方、チークの入れ方、口紅の塗り方、さまざまなテクニックを論理的に教えてくれるから、納得するし、忘れにくいんですよね。

 レッスンを受けた数日後、習ったままのメイクで仕事に出かけたら、ちょくちょく顔を合わせている男性から、『あれ、トミヤマさん今日きれいじゃない?』っていわれて。『いつものトミヤマさんなんだけど、なんかいい』っていう言葉を聞いて、よし、このメイクが正解なんだって、小さくガッツポーズする自分を抑え切れませんでした(笑)」

 余裕があれば、メイクレッスンの前にパーソナルカラー診断を受けるのもオススメだそう。

レッスン後のメイク。保湿をしっかりしているので顔色はワントーン明るくなった。また、顔の中心と外側で緩急をしっかりつけているので、薄づきなのに立体的。
レッスン後のメイク。保湿をしっかりしているので顔色はワントーン明るくなった。また、顔の中心と外側で緩急をしっかりつけているので、薄づきなのに立体的。

「メイクのときも、ベースカラーはイエロー系かピンク系かとか、選ぶじゃないですか。カラー診断で自分に似合う色や顔色を明るくするカラーを知っていると、選ぶのに迷いがなくなりますから。

 あとは、トレンチコート選びのときも、同じベージュでもカーキ寄りとかピンク寄りとかいろいろあってだいぶ迷ったので、パーソナルカラーを知っておくことは、洋服選びの時間を短縮するという意味でもオススメです」

2018.07.31(火)
文=今富夕起
撮影=榎本麻美
写真=福本邦洋、岡本拓也