テイクアウトできるお菓子もいろいろ

 「KAゑMONスコーン」やホールの「KAゑMON玄米タルト」の他にも、テイクアウトできるお菓子が棚に並んでいます。

「KAゑMONマドレーヌ」各180円、上左より「くるみ」「落花生」、下左より「あずき」「プレーン」「りんご」。

 「KAゑMONマドレーヌ」は、プレーンの他に、あずきやくるみ、りんご、落花生など、色々な種類があります。小ぶりサイズで、しっかりした歯触り。口の中ではらりとほどけ、すっきりした後口。

「KAゑMONサブレ」1袋250円。左上より時計回りに「紅茶」「はちみつ」「シナモン」。

 「KAゑMONサブレ」は、一見堅そうですが、噛むとほろっとほどけます。ザクザクした食感で、噛む程に小麦の風味が広がるナチュラルなおいしさ。長野県産アカシアはちみつを使った「はちみつ」、オーガニックシナモンが香る「シナモン」、インド産有機栽培紅茶の茶葉を入れた「紅茶」の3種類。日持ちがするので、お土産にもいい。

「KAゑMONパウンド tradition」プレーン1本 1,200円。

 「KAゑMONパウンド」は、自家製自然栽培小麦全粒粉、有精卵、バター、てん菜糖を使用。ぎゅっとした生地ですが、口の中でほろほろ。ほのかなバターと卵の優しい風味に心癒されます。

左:「季節のジャム 有機りんご」800円。
右:「あずきミルク」800円。

 「季節のジャム」は、砂糖の甘味を極限まで減らし、素材の持ち味を生かして作られています。「有機りんご」「あずきミルク」「くるみミルク」「マルメロ」などがあり、それぞれが優しくピュアな味わい。

「野草茶」1袋(5g×6包)。手前から「よもぎ茶」780円、「すぎな茶」780円、「ビワ茶」840円。

 「野草茶」は、自然のままの畑の野草を摘み、自家焙煎してお茶にしたもの。「昔からずっとやってきたことを繰り返しているだけ」と稲岡さんは言います。1回分ずつパックしてあり、扱いやすい。

 「ビワ茶」は、古木のビワの木の葉を天日乾燥し、遠赤外線焙煎。まろやかな甘みです。自然栽培の田んぼに自生しているよもぎを天日干し、遠赤外線焙煎した「よもぎ茶」は、深い香りと甘みが特徴。「すぎな茶」は、田んぼに自生しているすぎなを天日乾燥して粉末にした、すっきり飲みやすいお茶。どれも、自然そのものを飲んでいるような、優しくしみいるようなおいしさ。飲み飽きることがありません。

古い長持がさりげなく置かれた2階。柿渋を塗った梁や柱と漆喰の壁で、落ち着いた雰囲気。
左: 地元・小野市在住の作家物のオリジナル皮革製品などが並ぶコーナーもあります。
右:稲岡家で使われていた足踏みミシンも。

 カフェは正午からの営業。「焼き菓子をメインにしたメニューです。食べてもらって、食べ物が土からできているとわかってもらえるといいですね」。自身が作ったものを「おいしい!」と食べてもらい、自然栽培に興味を持ってもらえたらうれしいと言います。

 そんな稲岡さんは、農業とカフェの二刀流を実践中。壁には、稲岡さんの祖父が牛を使って麦踏みをしている様子を映した古い写真が飾られていました。「やりがいがある。農家としては100%自家採種を目指しています。それが本来のあり方ですから」。

 自然なおいしさの手作りのお菓子を食べて、自家製の野草茶を飲む。自然にちょっぴり近づける農家カフェ。ここだけのお菓子をいっぱい買って帰りましょう。

※金額は全て税込み

天然滋味 KAゑMON(かえもん)
所在地 兵庫県小野市黍田町890  
電話番号 0794-63-3359
http://www.kaemon.org/

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2018.06.03(日)
文・撮影=そおだよおこ