戦後日本の代表的人物10人を通し
時代を問い直す連続講義

戦後最大級に毀誉褒貶の激しいあの人物について、無双と呼ばれるジャーナリストは何を語るのか。

 国際情勢からオリンピックまで、幅広いジャンルのニュースをテレビで語り、雑誌や書籍で執筆を続けている池上彰さんの原点は、NHK地方局の記者としての取材活動でした。

 1973(昭和48)年にNHKに入局し、松江放送局、広島放送局呉通信部などに勤務します。地方局は記者の人数が少なく、警察や役所、裁判所など多くの取材対象を一人の記者が担当します。地方の政治や司法、経済界を記者として見聞することで、国家のミニチュア版を学ぶことができたといいます。

 そして入局3年目、1976(昭和51)年2月に発覚したのがロッキード事件。のちに田中角栄前総理大臣(当時)の逮捕につながる戦後最大の疑獄事件でした。池上さんは松江放送局に勤務しながら、ロッキード事件取材の応援に駆り出されることになります。

 その池上さんが講師を務める〈夜間授業〉が、2018年4月27日(金)に始まります。

 テーマは「戦後」。

 池上さんが生まれたのは1950(昭和25)年。今日の北朝鮮核開発危機につながる朝鮮戦争が勃発した年です。

 第二次世界大戦前、大日本帝国の統治下にあった朝鮮半島は終戦後、北緯38度線以北をソ連軍が、以南をアメリカ軍が分割統治する状態に置かれます。

 イデオロギーと経済体制の相違による東西対立が激しさを増す中、中国・ソ連の支援を受けた北朝鮮軍が38度線を越えて南へ侵攻。これに対して米軍を中心とした国連軍が反攻し、53(昭和28)年にようやく休戦を迎えますが、これを機に今日まで続く北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)と韓国(大韓民国)という朝鮮半島の分断状態が常態化します。

 敗戦から70年余、東西冷戦構造や55年体制は崩壊し、人口ピラミッドも産業構造も大きく様変わりしましたが、わが国をめぐる国際関係や国民のメンタリティにはいまだに「戦後」が強固に根を張っています。

 池上さんが戦後日本の代表的人物10人を選び、彼らを通して「戦後」を読み直す連続講義――それが「池上彰さんの〈夜間授業〉」です。

 第1回の講義で取り上げる人物は「田中角栄」。

 池上さんがどう田中角栄を語るのか。テレビではないナマの講義をお楽しみください。

池上彰(いけがみ あきら)
1950年8月9日、長野県松本市生まれ。73年、慶応義塾大学経済学部を卒業し日本放送協会(NHK)入局。「ニュースセンター845」「イブニングネットワーク」「週刊こどもニュース」のニュースキャスターを務める。2005年、NHKを退職しフリーランスに。「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」(テレビ朝日系)、「池上彰の総選挙ライブ」(テレビ東京系)など多くの番組に出演。新聞、雑誌への寄稿及び著作も多数。東京工業大学、信州大学、京都造形芸術大学などで教壇にも立つ。雑誌CREAでは、佐藤優氏とともに「CREA'S VIEW ふたり論点」を連載中。

池上彰さんの〈夜間授業〉
「“戦後”を作った10人の日本人」
第1回・田中角栄

日時 2018年4月27日(金) 18:30開場/19:00授業開始
会場 文藝春秋西館地下ホール
所在地 東京都千代田区紀尾井町3-23
受講料 一般 6,480円、学生 3,240円(ともに税込)
申込締切り 4月16日(月)
申込方法・詳細 下記URLをご確認ください
http://www.bunshun.co.jp/info/talklive/index02.html

2018.04.04(水)
文=文藝春秋メディア事業局