期間限定の「種子取祭の家」とは?

「星のや竹富島」では、フェリーの到着に合わせ、毎時15分と45分に竹富港を出発する無料の送迎車を用意している。もし「竹富島ゆがふ館」に立ち寄ったとしても、その後にやってくる車を利用することができるのが便利だ。
背の高い緑の草の間、時に舗装されていないでこぼこ道を走り、10分ほどで「星のや竹富島」に着く。
門の向こう、屋根の上にシーサーが鎮座する赤瓦の家がレセプション、ここが約2万坪を有する離島の集落の入り口だ。

その広大な敷地の真ん中に、芝生に囲まれた全長46メートルの楕円形のプールと、ダイニングやゲストが寛ぐための「ゆんたくラウンジ」がある。


ラウンジには本が置かれ、お茶やコーヒーに沖縄のお菓子のほか、夏ならところてんなどの季節菓子の振る舞いを楽しむことができる。夕べには三線の演奏も。


琉球赤瓦の屋根を頂いた一戸建ての客室が全48室。客室は、洒落た琉球畳のリビングのあるタイプや、バスタブを部屋の中にしつらえた部屋を擁するタイプなど、モダンで快適だ。珊瑚の石垣が客室を囲み、これも珊瑚の白い砂の道を歩いていると、集落の中の住民のような気がしてくる。

2017年10月1日(日)からの1カ月間は、この中の1室を「種子取祭の家」と位置づけ、種子取祭を体感するさまざまな催しを行っている。子供向けに島の伝統衣装の着付け体験(時間・曜日限定)、三線体験や種子取祭の間の主食となるイイヤチを作ってみたりも(要予約、時間限定)。夜には、写真と共に種子取祭の由来や歴史を聞く“島がたり”が行われ、祭りの一端に触れることができる。

右:左から2つ目の器に入っているのは、ハマユウのいわゆる茎の部分を構成する、葉の付け根が多層に重なったもの。イイヤチは、これに包めばくっつかない。玄米茶と共にいただく。

2017.10.21(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵