【U】
UNDERGROUND[地下]
作家を突き動かした
「地下」での出来事
1995年、「日本の地下」で二つの大きな出来事が起きた。1月の阪神・淡路大震災と3月のオウム真理教による地下鉄サリン事件だ。当時、米国で暮らしていた村上は、これらを契機に帰国を決意。
そして書かれたのが、サリン事件の被害者へのインタビューを元にした『アンダーグラウンド』、信者たちへのインタビューに基づく『約束された場所で』の2冊のノンフィクションと、震災が題材の連作短篇小説『神の子どもたちはみな踊る』である。
『アンダーグラウンド』
村上春樹 講談社文庫 1,080円
『約束された場所で underground 2』
村上春樹 文春文庫 590円
2017.08.11(金)
文・監修=齋藤隆一(「村上春樹を読み解く会」代表)
撮影=佐藤 亘、釜谷洋史