ショートトリップの締めくくりは
駿河湾の海の幸!
行き当たりばったりの、ぶらり気軽な旅、2日目は、三島の隣にある沼津へ。お目当ては、もちろん新鮮な魚! 沼津港周辺には、新鮮な海の幸が食べられる飲食店がずらりと並んでいる。
午前11時に着くと、すでに観光客でいっぱい。観光スポットだからそれもしかたがない。でも、なかにはローカル向けの店もあるし、観光地だからこその楽しさだってある。地元にしかないローカルな海産加工品を探したり、駿河湾を眺めたりしながら、昼間から冷えたビールとお刺身をつまむのも一興。
旬の地魚でお腹を満たした後は、日本最大級の水門「びゅうお」を見学。津波や高波から街を守るためにある水門だが、地上30メートルのところに展望回廊がある。
エレベーターで昇ってみると、一面の窓の向こうには富士山や箱根連山、眼下には船が行き交う駿河湾が広がっていた。観光客で混み合うこともなく、ここは穴場の絶景スポットかもしれない。
港のすぐ隣には、千本松原がある。松林越しに富士山が見える風景が、文人墨客に愛されてきた景勝地だ。潮風を感じるプロムナードを歩くのは、食後の腹ごなしにもちょうどいい。
食べて、海辺を散歩して、すっかり満足したところで午後3時。ふたたび普通列車でのんびりと、海を眺めながら帰路ついた。1日半のショートトリップだったけれど、けっして弾丸スケジュールになることなく、温泉も名水も魚もゆっくりと楽しめたから、大満足。
もしかしたら、旅は計画なんて立てないほうが、楽しめるのかもしれない。
芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn
Column
トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート
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2017.07.25(火)
文・撮影=芹澤和美