茶の湯の碗の
小宇宙に目を凝らす

国宝 油滴天目【中国・建窯 南宋時代・12~13世紀】大阪市立東洋陶磁美術館蔵

 日本文化の根幹を成す茶の湯。単なる喫茶習慣を総合芸術に高めたのは、日本に暮らす先人たちの創造性の賜物だ。茶の湯をテーマにした大型展が開催される。

 まずは器のオールタイムベストが集結。国宝の曜変天目 稲葉天月(展示期間:5月7日まで)をはじめ碗の小宇宙に目を凝らしてみよう。茶壺、茶入、花入など茶の道具も天下の名品が並び、茶室に掛けられた牧谿らの水墨画も。会場を巡れば、目利きになれること請け合い。

特別展『茶の湯』
会場 東京国立博物館 平成館(東京・上野)
会期 2017年4月11日(火)~6月4日(日)
料金 一般1,600円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://chanoyu2017.jp/

山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2017.04.29(土)
文=山内宏泰

CREA 2017年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

最近、眠れてる?

CREA 2017年5月号

最近、眠れてる?

定価780円