地中海で「美の島」と呼ばれるコルシカ島と、カンヌ沖合に浮かぶレランス諸島の小島サントノラ島。フランスのワインでありながら、表舞台にはあまり登場することがないこれらのワインの産地を、食とともに訪ねます。
自然と歴史が織りなすコルシカ文化を訪ねて
ワインの本場フランスには、ご存じのとおりいくつものワイン産地があります。祝いの席の定番シャンパーニュ、ブルゴーニュとボルドーという2大銘醸地のほか、美しい古城が点在することで知られるロワール、ドイツと国境を接するアルザス、南フランスのプロヴァンスなど、皆さんもどれか一度は飲んだことがあるのではないでしょうか。
それが「コルシカ」となるとどうでしょう? フランスワインの専門書をひらけば、ワイン産地として必ず紹介される地名でありながら、日本国内でコルシカ島産のワインが店頭に並ぶことはあまりなく、レストランのワインリストに載ることも少ないのです。
パリ・オルリー空港からコルシカ島までは約1時間半のフライト。首府アジャクシオへは1日5便、トップシーズンの夏には8便に増便します。フランスワインの銘醸地でありながら、あまり日本では知られていない、コルシカワインの生産地を訪ねる旅も楽しいものです。
フランス南部、コート・ダジュールから約200kmの沖合に浮かぶコルシカ島。「イル・ド・ボーテ(美の島)」と称されるこの島は、地理的にはイタリアに近く、中世にはイタリア半島のピサやジェノヴァの支配下にあったこともあり、パリやプロヴァンスといったエリアでは感じることができない、独特の文化が現在も息づいています。
そんなコルシカ島のワイン巡りで外せないのは、かの英雄ナポレオンの生誕地「アジャクシオ」でしょう。
右:直径10cm以上のビッグサイズながらかわいい松ぼっくり。地面に落ちたきたときの音には思わずびっくり。
2016.08.06(土)
文・撮影=須藤みほこ