バンド名の洒脱さにやられてしまった!

伊藤 はい。話をCzecho No Republicに戻しますが、もう一つ気になるのがバンド名ですよね。前回ここで取り上げた「My Hair is Bad」ってバンド名もかなり刺さったけど、このCzecho No Republicもキますね。チェコ勝ち! って感じの響きと綴り。Czech Republicだと国名になっちゃうんで「No」つけたみたいな。メンバー写真見てもだれもチェコ出身って感じではないですから(笑)。でもこのバンド名だけでセンスあるなって感じさせられます。

山口 このバンド名にはやられましたね。洒脱さを感じます。

伊藤 「Forever Dreaming」はパッと聴いた感じはポップだけど、ちゃんとキンキンに尖っている。IQ高いんだけどバカって感じがカッコイイ。作詞作曲をしているヴォーカル/ベースの武井優心が音楽にはまったきっかけはスピッツだけど、その後パンクにハマったっていうのを聞いて納得。特に元THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトとマーシーが好きだったみたいで親近感わきました。

山口 この連載で伊藤さんのパンク好きは知っていますが、伊藤さんの心に刺さったポイントはそこですね(笑)。僕もこのバンドはライブを観てみたいです。

伊藤 パンク好きだったっていうだけに曲はシンプル、余計なことはしないし足さないっていう潔さを感じる。歌詞も言いたいことを繰り返し言う、それが一番伝わるでしょって感じ。内容はタイトルからもわかるように夢を追いかけ続けること。なんだけど実際はシンドイことが多くて不安ばかり、そんなネガティブワードが繰り返されるなかに「じゃあ恐怖もピンチもあえて一周回って楽しみたい」ってフレーズが光っている。さりげなくギンギラギンって感じで面白いですね。

山口 「ギンギラギンにさりげなく」は、近藤真彦の名曲ですね。もしかして、ジャニーズ・エンタテイメント時代に、アシスタントディレクターやってましたっけ?

伊藤 メーカーはソニーだったんですけど、ジャニーズ側の立場で原盤制作ディレクターをやらせてもらったことがあります。子供のころにテレビで観ていたマッチと仕事するのはしびれました(笑)。

山口 そんな伊藤さんは、「Forever Dreaming」からどんな妄想を紡ぎますか?

伊藤 僕は死を目前にしている。体の自由は奪われ、静かにその時を待つ。どうせ一緒に持っていけない金や地位が無意味になったいま、なにかが心の中で音を立てる。家族、友、もういちど会いたい人。それはそれで大切に思うけど、彼らは生きていく。僕はひとりで死ぬんだ。思い出、記憶、ノスタルジア、ひとはそれを走馬灯と呼ぶんだろうけど、これは勝手に巡るもん。罪も悔いも懺悔も時効だし、愛なんていうのも素数みたいなもん。死を目前に考える価値なんてない。

 だけど夢だけが心を燃やす。なんで諦めたんだろう、なんで叶わないと思ったんだろう。

 あと、ほんの少しの残り時間、夢を追ってもがきたい。

山口 何故、どういう状況で死ぬのか知りたくなりました。

Czecho No Republic「Forever Dreaming」
日本コロムビア 2016年5月18日発売
チェコVer.(期間限定生産)[CD+ラバーバンド]1,700円、ドラゴンボール超Ver.(期間限定生産)[CD]1,200円(税抜)
■Czecho No Republic は、結成から約3年後の2013年にメジャーデビュー。2ヴァージョンが発売される本作のうち、“チェコVer.”にはオリジナルのラバーバンドを封入。“ドラゴンボール超Ver.”のカップリング曲には、1980年代に放送された「ドラゴンボール」のエンディングテーマ「ロマンティックあげるよ」も収録している。
■「Forever Dreaming」作詞・作曲/武井優心
■オフィシャルサイトURL http://c-n-r.jp/

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2016.05.15(日)
文=山口哲一、伊藤涼