使うほどに美しくなる器を求めて、鳥取へ器(器は延興寺窯)。 1949年に開設された「鳥取民藝美術館」。1957年に建てられた建物は、国の登録有形文化財。 吉田璋也が考案したパン切りナイフとパン切り台、果物ナイフ。ナイフは中国の青龍刀をヒントに使いやすくアレンジしたもの。パン切り台には、屑がこぼれないように溝がついている(鳥取民藝美術館所蔵)。 使う人のことを思って作られた誠実な手仕事を、鳥取民藝美術館で堪能。機能性にも優れていて、じっくりと眺めたくなる。 鳥取民藝美術館では企画展も開催され、展示内容は半年ごとに変わる。疲れたら、吉田璋也デザインの木の椅子で休んで。 隣接する「鳥取たくみ工芸店」。旅の締めくくりに訪れれば、「窯元で買いそびれた」という器に出会えるかも。 「鳥取たくみ工芸店」の隣には、鳥取の窯元の器で食事を楽しめる「たくみ割烹店」が。名物は、軍医として中国に赴任した吉田璋也が中国羊鍋を元に考案した「すすぎ鍋」。しゃぶしゃぶの原型と言われている。 自然の中で、美しく使いやすい器が生まれる。 釉薬は近くの河原にある黒石や籾殻の灰から手作り。 清志さん曰く、地元の土と地元の素材で作った釉薬はマッチするという。 1978年、よい陶土が採れるこの地に開窯。父と娘で製作に励む。 登り窯で焼かれる器は、上品かつ日常使いできるものばかり。 「自然があってこその器作り。季節の変化を日々感じています」と清志さん。 山本教行さん、お弟子さん、娘さんの夫の洋さんが器作りに励む岩井窯。 「喫茶 HANA」で時を知らせるのは、錫フレームのワイズの古い壁掛け時計。その隣にはペルーの鳥かご。落ち着くけれどワクワクする空間だ。 土鍋に入れたビビンパ鍋。食材を包み込むようにじんわりと熱が伝わり、食材のおいしさを引き出す。 特製あんみつには、和三盆の黒蜜をかけて。ランチやスイーツはすべて、料理教室も開く奥様の手作り。 外側が焼き〆で内側に釉薬がかかった五色鉢。スープやシリアル、マッコリによさそう……と夢は広がる。