CREA2026年秋号の「1冊まるごと人生相談」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。

 他人から見れば些細な悩みでも本人にとっては一大事。暮らしの細事から人生の転機に纏わる悩みまでカナダ留学で逞しさに磨きをかけた光浦靖子さんが答えます(全2回の2回目/はじめから読む)。

【はじめから読む】「私が都知事になったらビルをぶち壊す!」光浦靖子が人生相談に答えたら《観葉植物をすぐ枯らす》《お気に入りの店を秘密にしたい》


【相談】コンビニごはんを卒業したい

【お悩み】
ウイークデーは午前中から夜10時ぐらいまで仕事をしています。買い物や自炊をする時間もありません。包丁を使うのも億劫。コンビニごはんばかり食べています。体に良くないとわかっていますが、何から始めればよいのでしょう。(31歳・女性・パピコ)

 ウイークデーに働いているなら、ウイークエンドは休みということですよね? まとめ買いですよ。そして作り置きですよ。そして冷凍ですよ。そんなこたぁわかっとるわボケェ、それができるほどこっちゃ体力も気力もないんじゃボケェ、とお思いでしょうね。

 わかりますよ。私もある時期、へとへとでしたから。しかも今さほど忙しくないのに、作り置き、冷凍なんてしたことないですから。面倒臭ぇですから。私が普段疲れて動けないときに食べている簡単パスタを紹介します。

 その前にパスタを茹でることはできますか? 湯を沸かし、パスタをぶっ込み、ほおっておく。この際、湯に塩は入れなくてよいです。究極に疲れているのはわかりますよ。でもそこを頑張ってください。

 茹でたパスタを皿に盛る。そこに茅乃舎をきっかけに今やどこにでも売られるようになった美味いパウダーの出汁をかける。で、その皿の上で大根をおろす。で、納豆をぶっかけ、酢、醤油をぶっかける。以上。自炊慣れしてきたら、パスタと一緒に鶏肉や豚肉、野菜やきのこなどをぶちこんで一緒に茹でたり、食べるラー油的なもんを加えたり。なんでも加えりゃよいんですよ。加えたら加えただけ栄養バランスは良くなりますから。

 ただね、これが美味しいかどうかはわかりません。あたしゃ美味いと思ってますよ。でもあたしゃ三十数年ひとり暮らしでしょう? 長ーいこと自分のためだけに自炊をしてきて、人のことなんか知ったこっちゃない、自分の好みの味に完全に偏っています。塩味、酸味が好きだし、歯応えのあるものが好きだし。全く甘くないネチョネチョしたデザートも好き。腰のあるうどんを、つゆをつけずにまさに素で食べるのも好き。食後にカリカリしないとどうしても落ち着かず、毎食後、硬いポテトチップスやチートスを食べていました。

 でも健康に悪いからと、最近はキヌアを茹で、オーブンで焼き、塩を振り、その小さな粒々のカリカリしたものをボロボロこぼしながら時間をかけて食べています。歳をとった小鳥のようです。これを世間では「丁寧な暮らし」と呼ぶそうです。

次のページ 【相談】冷蔵庫がカオス

CREA 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。