CREA2026年秋号の「1冊まるごと人生相談」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。
近すぎるからこそ素直になれず、時にすれ違ってしまう親子の関係。感謝とわだかまりが同居するなか、距離の取り方の正解は――? 歌舞伎俳優の尾上松也さんが、親や子と向き合うヒントを届けます。
【相談】親子関係がしんどいです
映画『八つ墓村』で新たな金田一耕助像を見事に演じた尾上松也さん。地方の名家の家族の因縁を描いた物語だ。
「思いがけないオファーで、どう演じるか悩みましたが、清水崇監督が新しい視点で描かれると伺い、その世界観にスッと入る感覚で演じました。試写を観ても、監督らしさがふんだんにあり、出演できて良かったと思います」
松也さんは歌舞伎を主戦場にしながら、外部作品へも積極的に参加。映画やミュージカルなど、活躍の幅も広い。
「歌舞伎界で外部の活動をしている方はさほど多くはないので、それは僕の武器の一つです。歌舞伎もそうですが、数々の先輩方から教えていただいたものをどうやって継承していくかは、人と人との繫がりで残すしかありません。年齢を重ねて責任が大きくなり、大きなお役を与えてもらうにつれ、自分が学んできたものを後輩へ伝えていく責務を考えるように。志のある後輩に僕の経験を伝える機会を作りたいですね」
【相談】息子の思春期についていけない
【お悩み】
この春、中学生になった息子は思春期真っ只中です。突然ニキビだらけになり、ニオイも男っぽくなって、声変わりも進行中。最近では「ママ」とも呼んでくれなくなり、ごはんを食べたらすぐに自室にこもるし、会話も少なくなってきました。息子の成長は嬉しくもある反面、私の心がついていけなくて。どうしたら受け入れることができますか?(46歳・女性・子離れできないママ)
僕も父が亡くなるまでは母とすごく仲の良い親子だったと思いますし、どちらかというとマザコンでしたよ。母はずっと僕に対して“子ども”として接していますが、それはもう難しい年齢なので、今は僕が距離感を調整する感じ。
でも、まあ中学生ぐらいの年齢というのは、反抗期というより“家族に対する恥ずかしさ”が出てしまうんです。特に男子は。大人に憧れるというか、親と旅行に行ったりすることを非常に恥ずかしいことだと勝手に感じてしまう。それを女子に見られたくないとか、そういう訳のわからないマインドに入っている時期なんです(苦笑)。
ですので、今はお母さん側から積極的に子離れしたほうがいいのかなと思います。でも、高校を卒業する頃にはきっと解消されますよ。少し大人になって、彼女ができたりすると、逆に“母親を大事にすることがカッコいい”と思ったりするんです(笑)。
このタイミングで過保護になってしまうと、逆にもつれる可能性のほうが高くなるかも。今は、少しガマンしてください。
CREA 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
