建築と樹木の境界が溶け合った『茶室 徹』
山梨県の清春芸術村に建つ『茶室 徹』もまた、藤森建築ならではの一作だ。一本の幹に支えられた白い茶室が木々の間に浮かぶ姿は、鳥の巣のようでもあり、空へ逃れた小さな庵のようでもある。春には周囲の桜に包まれ、建築と樹木の境界が溶け合っていく。そこにあるのは、洗練された都市建築とは異なる、土と木と人間の原始的な結びつきだ。
精密な技術によって重力に抗うホキ美術館と、素朴な素材と奔放な発想で重力から自由になろうとする藤森照信の茶室群。表現は対照的だが、建築が人間の身体感覚を揺さぶり、日常から別世界へ連れ出してくれる点では共通している。
〈東京・早稲田に「日本のガウディ」が手がけた“伝説の建築”がある…彫刻とステンドグラスが埋め尽くす“怪建築”を一度は見に行くべき理由〉へ続く

感動建築
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大洋図書
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文=中田 薫

