現代芸術の第一線で活躍し続けた芸術家の草間彌生さんが、8月14日、多臓器不全のため亡くなられました。

 小誌「CREA」では、これまで草間彌生さんのアート作品をたびたび取り上げてきました。2014年7月号「人生にアートを!」特集では、当時85歳の草間さんに独占インタビュー。今回は記事「草間彌生さん、アートって何ですか?」から草間さんの声を特別に公開し、死にものぐるいで闘ってきたという創作人生を振り返ります。

※初出:CREA 2014年7月号。
※年齢など記載の情報はすべて2014年掲載当時のもの。


草間彌生、アートとともに生きる85年

「水玉の女王」、草間彌生。

 世界からの大喝采を浴びてもなお、彼女の制作意欲はとどまるところを知らない。アートに一生を捧げようとしている芸術家のスタジオを訪れ、訊ねてみた。

「アートとは、あなたにとって、何なのですか?」

 草間彌生のアートに世界が熱狂している。2011年から2012年にマドリッド、パリ、ロンドン、ニューヨークを巡回して大成功を収めた回顧展に続いて、昨年からはアジアと中南米で新しい個展のツアーがスタートした。

 アジアを巡回中の「KUSAMA YAYOI,A Dream I Dreamed」は昨年7月に韓国の美術館で開幕。最新の絵画作品を中心に、主に2000年以降の創作活動を紹介する。いっぽうアルゼンチンやブラジル、メキシコの都市を巡る「Yayoi Kusama Obsesión Infinita」(永遠の強迫観念)は初期から最新作までを網羅した回顧展。どちらも大きな反響を呼び、入場前の大行列は、草間展では見慣れた光景となった。リオデジャネイロでは約3カ月の会期中に75万人が訪れた。

 また昨年11月にはニューヨークのデイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーで、ミラールームを使った体験型インスタレーションなどの新作を公開。ここでも連日長蛇の列で、2時間待ちは当たり前となった。インターネットのソーシャルメディアがショーの評判に拍車をかけ、行列のなかには普段ギャラリーに足を運ばない人も多かったという。「ニューヨーク・タイムズ」は、この展示が多様な人々に感銘を与えている様子を、観客の生の声と共に報じた。

 2012年にはルイ・ヴィトンが草間作品をモチーフにしたコレクションを多数発表し、大きな話題を呼んだ。草間の作品の受け入れられ方は、狭義の現代アートの世界を軽々と超えてしまっている。その地域的、階層的な広がりは驚きに値する。まさしく現在の草間は、グローバル化した現代アートを象徴する「水玉の女王」なのだ。

What is ART for You, Kusama-san?

「アートは、生きること、死ぬこと、宇宙のこと、
それらのすばらしさ、心を高揚させてくれ、
人間としての哲学性にうたれて生きていくことを
私に教えてくれました」

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