いよいよ開場! 大相撲「アコー・アリーナ場所」の様子は?
2015年に大規模改修されたアコー・アリーナ。セーヌ川沿いにあるベルシー公園に隣接し、周囲には大きなホテルが並び、建物自体も巨大かつモダンです。大物アーティストのライブコンサートも行われる、いわゆる“大バコ”。大相撲ファンなら「名古屋場所の会場になった“IGアリーナ”にちょっと似てる……」と思うはず。
アリーナから3階席までびっしりと観客が入った会場。土俵を囲む溜まり席やマス席もあります。では、もったいぶらずに会場をお見せしましょう。ドーン!
日本での巡業と同じように、取組トーナメントの前に相撲に親しむイベントがあるパリ公演。相撲甚句は「Chant traditionnel du sumo」、初切は「Spectacle de sumo comique」、横綱の綱打ち実演は「Cérémonie de nouage de la seinture du Yokozuna」とパンフレットにフランス語で書いてありました。さらに、隆の勝、朝紅龍、藤青雲の関取衆とフランスの子どもたちによる「ちびっこ相撲」も!
会場の実況アナウンスは、キャスター/ジャーナリストのフローラン・ダバティさん。2002年日韓ワールドカップでサッカー日本代表のフィリップ・トルシエ監督の通訳を務めた方、というと、40代以上の人は記憶に残っているのでは? 「Utchari(うっちゃり)」「Okuridashi(おくりだし)」などの決まり手の発音がとってもエレガントでした(笑)。
会場があたたまったところで、「カァーン」と澄んだ柝の音が響きわたり、いよいよ幕内土俵入り。そして取組トーナメントが始まりました!
海外公演らしい盛り上がりに花を添えたのは、やはり土俵上の巨大マルチビジョンでしょう。取組力士の写真と名前、プロフィールがド派手なアニメーションで映し出されると、声援があがります。
トーナメントは、総勢41人の力士による勝ち抜き式で、それぞれの日に優勝力士が決まり、最終日に優勝決定戦が行われます。ヨーロッパ圏の観客が多いからか、ウクライナ出身の安青錦や獅司、カザフスタン出身の金峰山への応援の声が大きく感じられました。それから、覚えやすい四股名の宇良や阿炎へは「URAAA!」「ABIIII!」と大声援が。勝ち残った力士は何度も土俵に上がらないといけないのでちょっと大変ですが、お客さんが力士の名前を覚えて、だんだん“ひいき”が生まれてくるのも面白い。
若貴景や豊昇龍は、発音しにくいけど言えたら気持ちいい! という気持ちが会場中に広がって、最初は「ワタタタタゲ~?」「オッショリウ~~?」だったのが、勝ち上がるたびに「WAKA! TAKA! KAGEEE!」「HO! SHO! RYUUUU!」と、子どもも大人も熱烈に声を出していました。みんなが心から相撲を楽しんでいるのが伝わってきます。
トーナメントの取組では、本場所の真剣勝負とはまた違い、力士もリラックスしつつそれぞれの持ち味を発揮します。宇良のアクロバティックな動き、藤ノ川の突進、御嶽海の吊り出し、高安の突き押し……また、審判による「物言い」からの「取り直し」も飛び出して、会場は大いに沸きました! 決勝に近づくと会場の照明もドラマティックに変わって超興奮!
初日の決勝は霧島との大関対決で琴櫻が優勝! 5時間に及ぶ大相撲パリ公演は、満場の拍手と歓声のうちに幕を閉じました。なお、琴櫻は2日目に横綱豊昇龍との優勝決定戦を制して総合優勝! 豊昇龍のフランス語での挨拶には万雷の拍手が起きました。終始、フランスのファンに相撲の魅力を伝えようという熱意が伝わり、また、それに対するフランスからの尊敬と愛が感じられる、温かく平和なパリ公演でした。
