ピカソが晩年まで憧れた「子どものような自由な心」

 07「子ども時代」の部屋では、オルガ・コクローヴァとの間に生まれた息子パウロを描いた《アルルカンに扮したパウロ》や《トラックの玩具で遊ぶ子ども》などを展示。壁面には作品に登場する衣装の柄や背景が取り入れられ、絵画の世界が空間全体へと広がっている。

 ピカソにとって子どもは重要なモチーフであり、自身も「子どものような自由な視点」に憧れ続けていたという。ポール氏はこうしたピカソの子どもへのまなざしを踏まえ、舞台やサーカス、遊びに夢中になった時代の喜びを空間全体で表現した。

 09「ストライプ」では、1930年代にピカソが実験的に用いたストライプ模様をモチーフにした作品を展示。柔らかな曲線とパステル調の色彩で描かれたマリー=テレーズ・ワルテルの肖像画などが並ぶ。

 カラフルなストライプで彩られた空間は、ポール氏のデザインを象徴するモチーフのひとつ。ピカソの作品とポール氏の世界観が響き合う展示室となっている。

 11「一点もの」では、1940年代後半に南仏ヴァロリスへ移り住み、陶芸に没頭したピカソの作品を紹介。

 展示室には真っ白なプレートが壁一面に並び、その中央にダイナミックな絵付けが施されたピカソの作品が展示されている。周囲とのコントラストによって作品の存在感が際立ち、思わず目を引く空間だ。

 締めくくりとなる15「展覧会のピカソ」では、1901年のパリでの初個展から1970年のアヴィニョンでの大規模個展まで、各地で開催された展覧会のポスターを壁一面に展示する。

 ポール氏は、かつてのパリではカフェの窓にもアートのポスターが貼られ、芸術が人々の暮らしの身近にあったことに触れながら、この空間を当時の街並みを思わせる演出にしたと説明。ポスターの数々からは、ピカソが没後だけでなく、生前から広く愛された芸術家であったことがうかがえると語った。

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