爽やかな風が吹き抜ける季節になると、ふと日常の忙しなさから離れて、深呼吸がしたくなる。そんな心地よい初夏の訪れに誘われるようにして訪ねたい山があります。

 今回、モデルの吉岡更紗さんと訪れたのは、群馬県桐生市に佇む鳴神山(なるかみやま)。世界でここにしか咲かないという幻の花・カッコソウを求め、昨年に続くうれしい再訪です。自分の足で歩くことで初めて出会える、豊かな自然と文化。そんな愛おしい低山の魅力を味わい尽くした旅の様子をお届けします。

» 都心からわずか2時間半。新緑が瑞々しいあの山を再訪
» 山好きな本屋店主と歩く、文学をめぐる温かな時間
» 新緑に映える清々しいブルーと、山頂手前の「懐かしい洗礼」
» パノラマ眺望の山頂と、愛おしい「どら焼き」の時間


都心からわずか2時間半。新緑が瑞々しいあの山を再訪

 群馬県桐生市へと車を走らせ、市街地から20分ほど。東京近郊からでも1時間半~2時間ほどでアクセスできる鳴神山の駒形登山口が、今回の旅のスタート地点です。路肩を合わせても駐車場は数台ほどのため、週末に訪れる際は少し早めの到着を心がけると安心。また、桐生駅からコミュニティバス「おりひめバス」に揺られてのんびり向かうルートも、ローカルならではの旅情が味わえておすすめです。 

「またいつか登りたいな、とずっと思っていて。カッコウソウの季節に合わせて、この時季にとっておいたんです」

 そう言って、笑顔を見せる吉岡さん。今年は昨年よりも少しだけ時期を前倒しし、素晴らしい五月晴れを狙ってやってきました。

 鳴神山は標高980メートルのいわゆる低山。駒形登山口から山頂までは、片道約2.5キロメートル、所要時間は1時間半~2時間ほど。登山道は地元の方々によってきれいに整備されており、道迷いの心配も少なく、登山初心者や久しぶりに山を歩くという方でも安心して挑戦できるのが大きな魅力です。

 一度登った山に、なぜまた登るのか 。それは同じ山であっても、季節や気候、その日の光の入り方によって、山が見せてくれる表情はまったく異なるから。昨年はもっと夏に近い空気でしたが、今回は、まだ生まれたてのような瑞々しさを残す新緑の季節。山が好きだからこそ、同じ場所に何度も通い、わずかな変化を五感で確かめたくなる——そんな贅沢な大人の山の楽しみ方を、今回の旅は教えてくれました。

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