パノラマ眺望の山頂と、愛おしい「どら焼き」の時間
急登を登りきると、そこに待っていたのは、鳴神山ならではの360度の大パノラマ。昨年訪れたときよりも天気に恵まれ、眼下には関東平野から続く群馬の山並みが幾重にも重なり合っています。青く霞む美しい稜線を眺めていると、胸の奥まで新鮮な空気が満ちていくのが分かります。
山頂に据えられた歴史を感じる小さな祠の横で、ほっと一息。お待ちかねの休憩時間です。
最近、知人の農業を手伝いはじめたという吉岡さん。土に触れる暮らしを始めたことで、これまで以上に「体にいいもの」や、素材を活かした食への興味がぐっと高まっているのだそう。そんな吉岡さんがバックパックから嬉しそうに取り出したのは、持参したお気に入りのどら焼き。
山頂の木製ベンチに腰掛け、どこか誇らしげな笑顔で、優しく染み渡る餡の甘みを噛み締めます。自分の足で登ってきたからこそ出会える絶景と、運動した後の体が求める素朴な美味しさ。これだから、ハイキングはやめられません。
心地よい達成感に包まれながら、私たちの視線は、この山のさらに奥——今回の山旅の目的地へと向けられていました。世界でここにしか咲かないという幻の花、カッコソウ。しかし、山頂で齋藤さんから告げられたのは、少し意外な「山の現実」でした。鳴神山ハイキング・後篇へつづきます。
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