ミュージシャンとしてのみならず、幅広いジャンルで活躍してきた近田春夫さんが、半世紀を超えるそのキャリアにおいて親交を重ね、交遊してきた錚々たる女性たちとトークを繰り広げる対談シリーズ「おんな友達との会話」。

 6人目のゲストは、新曲「愛は輪廻転生」と新刊『毎日少しずつ、柔らかい体になる! 健康美を叶える「ルミ子流ストレッチ」』が話題を呼んでいる小柳ルミ子さん。日本歌謡史に大きくその名を刻むミューズと近田さんとが出会ったのは、今から半世紀前にさかのぼる。エンタテイナーとしての英才教育を受けた幼少期から、トップの成績をキープした宝塚音楽学校時代、そして、国民的人気を誇る歌手デビュー後まで、波乱万丈のその半生に迫る!


「お久しぶりね!」「あなたに会うなんて!」

小柳 お久しぶりね!

近田 あなたに会うなんて!

小柳 あれから何年経ったのかしら?(笑)

近田 ルミちゃんと俺が最初に会った時のことって覚えてる?

小柳 有楽町の日劇(日本劇場)でしたっけ?

近田 そうそう、1976年の元日から1週間にわたって行われた「'76 小柳ルミ子★アグネス・チャン ハッピーニューイヤーショー」って公演でのことだった。一応、若い人向けに説明すると、日劇というのは、今、有楽町マリオンが立っている場所にあった、日本を代表する大劇場だったんですね。

小柳 じゃあ、初対面は、ちょうど50年前になるわけね。あのショーに、近田さんは、谷啓とザ・スーパーマーケットの一員として出演したのよね。

近田 俺は、この舞台の伴奏を手がけるあのバンドでキーボードを弾いてたんだけど、アグネス・チャンと「昭和枯れすすき」をデュエットする相手としても駆り出されたのよ。当時の俺なんて、近田春夫&ハルヲフォンとしてデビューこそしていたものの、世間的には誰も知らないような一介のバンドマンでしかなかったのに。

小柳 でも、お客さんは温かく受け入れてくれてましたよね。

近田 そうなのよ。対するアグネス・チャンはといえば、すでに押しも押されもせぬ大スターだったわけじゃない? もう、お話にならないぐらいにまったく格が違う。でも、渡辺プロには、そういう試みを許容する雰囲気があったよね。

小柳 面白かったし、楽しかったですよ。

近田 僕らバンドが本番のリハーサルしてる時も、ルミちゃんは、楽しそうな表情を浮かべてそれを眺めてくれてたんだよね。あの小柳ルミ子に見守られてるってことは、すごく励みになったよ。まったく壁を作らず接してくれたしさ。

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