“著作権フリー”を公言する人気怪談語りチャンネル「禍話(まがばなし)」。語り手であるかぁなっきさんが収集した実話怪談たちはリスナーたちにリライトされ、新たな味わいを宿した怪談として生まれ変わる……そんな時代にフィットした同番組のスタイルは、多くのホラーファンたちを魅了してきました。
今回は今年で放送開始10周年を迎えた禍話から、“ビニール袋”がトラウマになってしまったとある会社員男性にまつわる奇妙なお話をご紹介します――。
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「ビニール袋系全般が苦手で……」
令和になってすぐの頃。当時30代だった会社員の男性Eさんは、勤めていた会社の命で、普段はあまり交流のなかった別部署の先輩男性Aさんと共に、とある地方都市に出張をすることになったそうです。
「はい、わかりました。わざわざこんな遅くまで申し訳ありませんでした」
「いえ、とんでもございません。それでは、失礼いたします」
取引先との仕事を無事に終えたEさんたちでしたが、夕食をとるには少々時間が遅く、その日はそのままビジネスホテルに引き上げることになりました。
もともと、仕事後の打ち上げでAさんとの親睦を深めようと思っていたEさん。コンビニで遅い夕飯を買おうとなったときに、Aさんに『ホテルの部屋で食事がてら軽く飲みませんか?』と提案したところ、快い返事をもらえたそうです。
会計時、Aさんがレジ袋をもらわずに仕事用のカバンに入れていたエコバッグを取り出すのが妙に記憶に残ったと言います。
「じゃあ、かんぱ~い!」
「お疲れ様です~」
Eさんの部屋で始まった小さな打ち上げ。
ビールを一口飲んだEさんが、何の気なしにおつまみをレジ袋からガサゴソと取り出した瞬間、Aさんが体をビクッと強張らせたのに気がつきました。
そんな彼の視線に気がついたAさんは、気まずそうに言いました。
「私、ちょっとレジ袋っていうか、ビニール袋系全般が苦手で……」
レジ袋が苦手とはなんとも奇妙だと話を聞いてみると、その原因はAさんが子どもの頃に住んでいたある新興住宅地での出来事に遡るのだとか。
